えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2007-04-02から1日間の記事一覧

ミクロメガス、この世は成り行き任せ

つづいてヴォルテール。冒頭二編。 キーワードは「相対」につきる。 別の価値基準を提示することで、既存のそれを疑問に付すこと。 言い換えれば「外からの視点」によって相対化するということ。 コント・フィロゾフィックの典型といっていいだろう。 すこぶ…

下流志向

内田樹『下流志向』講談社2007年 一つだけ、思ったこと。 『千と千尋の神隠し』が優れて「労働主体」として主体が 確立する様を描いているとするならば、『ハリー・ポッター』 の主人公は「消費主体」的ではないだろうか、ということ。 ただ、それだけ。

春に寄す

Au printemps (1881) 細かいことだが正確には「春に(おいて)」の意味だろう。 これは誤訳ではなくて、意訳。 『メゾン・テリエ』初出のこの作品は、いかにも初期のモーパッサンらしい という印象を抱かせる。出だしの春の欲求の目覚めの高揚と、 後半のシ…

花曇り

桜を見てプラネタリウムを見る。 思い出すのは、いしいしんじ『プラネタリウムのふたご』。 シャボン玉のシーンが美しい。