えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

イギリス文学

『情事の終り』/クリストフ・マエ「魅了されて」

読んだという記録のために。 グレアム・グリーン『情事の終り』、上岡伸雄訳、新潮文庫、2015年 この本とジッドの『狭き門』はまだ読まれているようだけれど、そのことは私には不思議に思える。『情事の終り』は決して分かりやすい話ではないように見えるだ…

『林檎の樹』

ゴールズワージー『林檎の樹』、法村里絵訳、新潮文庫、2018年 大学を卒業した5月、徒歩旅行に出かけたフランク・アシャーストは、足を痛めて歩けなくなり、近くの農場に泊めてもらうが、そこで出会った娘ミーガンに恋に落ちる。二人は真夜中、花咲く林檎の…

『自負と偏見』/ミレーヌ・ファルメール「モンキー・ミー」

ジェイン・オースティン『自負と偏見』、小山太一訳、新潮文庫、2014年 以前から読みたいと思っていた本を読む。初読。原作が匿名で刊行されたのは1813年。 オースティンがどれほど上手かも(冒頭のベネット夫妻の会話から、人物が鮮やかに立ち上がってくる…

『ジーキル博士とハイド氏』/ZAZ「パリはいつもパリ」

『宝島』を読んだら、『ジーキル』に行くのはもう避けられないと言うべきか。 スティーヴンスン『ジーキル博士とハイド氏』、村上博基訳、光文社古典新訳文庫、2009年 は、なにしろ有名な作品だ。二重人格という主題は、それだけ人を惹きつけるものがあるの…

『宝島』/ZAZ「パリの空の下」

ガイブン初めの一冊にお薦めなのは何だろうか? という問いに対しては、無論、私だって好き好んで『ボヴァリー夫人』を挙げるわけではない。19世紀フランス文学限定というなら、『ゴリオ爺さん』を挙げてもいいかもしれないが、いきなり冒頭でつまずかれる危…

あわあわ

あわわわ、と言っているうちに日がどんどん過ぎる。 読み終えた電車本。 ディケンズ、『二都物語』上下、中野好夫訳、新潮文庫、1967年 主筋だけ取ると実にロマネスクでロマンチックだけれど、 フランス革命前、民衆の間で不満が高まっていくところと、 革命…

休眠中

長らく休眠中で、ブログ書く習慣もどこへやら。 9月末、我が人生のそれなりの大仕事に、時間切れでどうにかけりをつける。 Xデーは12月9日。それまでいわゆる蛇の生殺し状態。あうあう。 逃避でほそぼそ読んだ電車本。 ディケンズ、『大いなる遺産』、佐々…

動物農場

ジョージ・オーウェル、『動物農場』、高畠文夫 訳、角川文庫、2010年(57版) いわずとしれた傑作寓話。独裁的権力の見事な諷刺。豚のナポレオン。 馬のボクサーがことのほか哀れであった。 これも周知のことながら、他に3編の掌編が付されていて、その中で…

一九八四年

ジョージ・オーウェル、『一九八四年』、高橋和久 訳、ハヤカワepi文庫、2009年(2010年10刷) 物資の窮乏とか監視体制のありかたとか、80年代のソ連・東欧を想起させるところが いかにも凄いながら、一番見事だと思うのは「ニュースピーク」の発想で、 思想…

闇の奥

ジョゼフ・コンラッド、『闇の奥』、中野好夫 訳、岩波文庫、1958年1刷、2009年(55刷) これがよく分からなくてむつかしい。 (Heart of darknessは1899年の作品。) 大自然の「闇の奥」に遡行していって心の「闇の奥」を覗いてしまったのがクルツという 男…

インドへの道

E・M・フォースター、『インドへの道』、瀬尾裕 訳、ちくま文庫、2004年(4刷) とりわけ前半は映画が原作にかなり忠実であったようで、 原作を読みながら映画を追いかけてるようで、これは順番まちがえたかもしれぬ。 それはそうとして、 西洋人に捉える…