えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

フランス映画

大いなる幻影

La Grande Illusion, 1937 我が家で発掘されたフランス映画。名画は名画。 今となっては反戦映画というよりも、戦時にあってもまだ人間的なものが生き続きえた 古き時代を偲ばせることであった。もっとも第一次大戦頃はほんまにこんなだったか どうかは知ら…

王と鳥

Le Roi et l'Oiseau, 1980 一見したところはすごく単純な物語でありながら、細部があれこれずらしてあることで、 謎の多く奥行の深い作品に仕上がっていることよ。 私が興業主だったら、ええからハッピーエンドで子どもでも分かるようにしておくれ というこ…

ポンヌフの恋人

Les Amants du Pont-neuf, 1991 橋というのはこちらからあちらへ渡るための場であり、それ自体はどちらにも属さない境界であれば、 封鎖された橋という場は、どこにも属すことのできない、行き場のない者のアジールとなる、 ということか。久し振りに観て、…

フレンチ・カンカン

French Cancan, 1954 ジャン・ルノワールが戦後フランスに帰ってきて、 「フランス的」な映画を作ろうと思ったときに、選ばれたのはフレンチ・カンカンであった、と。 1889年のムーラン・ルージュ開店を題材にしたこの映画がなんぼほど 実話をもとにしている…

ベラミ

Bel Ami, 2004 そんな中、2004年9月フランス2で放映された、このテレフィルムが DVDになったのは嬉しいところ。 監督は Philippe Triboit。 ぱっと見たところ、ポイントは2点。 1点はとにかくスピーディーなこと。105分の中で『ベラミ』一冊分、 すなわち貧…

スパニッシュ・アパートメント

L'Auberge espagnol, 2003 とりあえず映画は観た。 EUが生んだ映画とでもういうか、時代を実にうまく捉えた作品で、 いかにも今の普通のヨーロッパの若者という感じが出ているのは 見事なものかと。 まったく個人的には物語をもっと作り込んでほしい気はする…

ペルセポリス

Persepolis, 2007 マルジャン・サトラピの自伝的青春絵物語の映画版で、これはちゃんと映画館で鑑賞。 うまく言えないのだけれども、画面の構図や動きが独特で、 白黒の簡略化された絵を大変よく引き立てて効果を挙げていて目が離せない。 単に元のマンガが…