えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

モーパッサン

ルイ・デュミュール

シャルルさんお返事ありがとうございました。 お陰様で束の間いい夢が見れました。 おっしゃるとおり、モーパッサンのたくさんの短編はその多様性にこそ驚かされます。 ので一冊でその多様な面を窺えるように、なるべく色んなタイプの作品を取り上げたい、 …

ロマン・クーリュスとアンドレ=フェルディナン・ヘロルド

新学期を迎える、が、とりあえず変わらぬ日。 だんだんおざなりになって、既に飽きてきているのがばればれではあるが、 本日の宿題。 Guy de Maupassant tient dans mes actuelles lectures une place si modique ! Serais-je même coupable d'avouer que je…

マンデスとトリスタン・ベルナール

カチュール・マンデス(1841-1909)ってどんな顔なのかなあ、 とか思ってしまったのが運の尽き。 描いちまったんだな、これがまた。 うーむ、さすがはパトロン。 にしてもヒゲと髪に相当てこずる。 頼むから剃ってくれ、刈ってくれ、と言いたい。 せっかくなの…

モーパッサン短編集を編んでみる

29日、ベケットとマラルメとジャリの日@六甲。 シャルルさま、お初にお目にかかります(よね?) 嬉しくも悩ましいご質問をどうもありがとうございました。 私自身、前々から自分の「モーパッサン短編集」を編むとしたらどうするか、というのを宿題に抱えて…

アンリ・マゼルとルネ・タルディヴォー

引き続いて、エコパリのモーパッサンについてのアンケート。 終わらないー。 L'étonnant n'est pas de rappeler Gavarni ni Edgar Poë, mais les deux. – Henri Mazel. (L'Écho de Paris, supplément illustré, 8 mars 1893.) 驚くべきは、ガヴァルニやエド…

スチュアート・メリル

Guy de Maupassant est un auteur prisé des commis-voyageurs. Ses nouvelles se laissent lire d'une gare à une autre ; ses phrases courtes sont rythmées aux cahots des wagons, et ses personnages, qui sont ses admirateurs, se retrouvent à chaq…

ジャリとミュルフェルド

エコパリのモーパッサンのアンケートに ジャリの名前は残念ながら無いのだけれど、 いささか故あって描く。 ジャリだからいいか、ジャリだし、という適当な配色。 不知火どの曰く「昇天しそう」な感じとか。 お元気でいらっしゃることを祈っております。 宿…

エミール・ベニュスとタデ・ナタンソン

5日間外出して労働。まだ寒くても春は近い。 Ce monde-ci, où nous passons, si peu selon la Nature... Ces hommes-ci, si peu selon l'Humanité... Et tant d'âmes vaines ont circonvenu les âmes instinctives, que nous traversons la vie comme des ét…

レオン・ブルムもいた

粛々と自分の勤めを果たすのみ。 La crainte de paraître emprunter leur indulgence au pathétique des circonstances aura détourné quelques-uns de mes amis d'exprimer une admiration ou même une sympathie. J'avouerai que j'aime beaucoup Maupassa…

なんとモーリス・ピュジョ

あちらやこちらで引っ越しのお手伝いが続く。 ところで前言を翻しまして、 カミュのあれはハンフリー・ボガードであり、つまりハードボイルドである。 うむ、そうに違いあるまい。 で、大人しく宿題をこなす。 Maupassant est un tempérament. Il a traité l…

やっとルナール

バルビュスは駄目でも、ルナールならいいんかい。 没後百周年だった昨年、結局ルナールの名を聞くことが あまりなかったように思うのだけれど、どうなのだろう。 日本でこそ、何かあってもよかったかもしれない、という気もする。 では宿題。すでに疲労ぎみ…

そしてバルビュス

研究会、同窓会と予餞会。 Maupassant a été le plus réaliste des réalistes. Il a compris admirablement le style qui n’est que la façon artistique de voir la pensée et qui n'est rien par lui-même. Il me semble au-dessus de Flaubert, qui mêlai…

次いでモークレール

土佐を満喫して帰る。 四万十川最高。足摺岬感動。 おもむろに一句。 これやこの鰹美味しや土佐の春 感謝のつもりでカミュを描きなおす。 カミュには悪いが、やっぱりこれはヤクザだろう、と。 では本日も宿題。 M. Guy de Maupassant écrivait bien. Il voy…

次がヴィエレ=グリファン

ああ、もう2月が終わってしまう、と、毎年言っているような。 昨日マラルメ。『賽の一振り』もほぼ終わりへ。 最後の手前の頁。主幹文を終えて「後奏曲」とでも呼びたいところか。 たとえサイコロを振ったとしても偶然は廃棄されず、 「場所以外の何も起こら…

お次はヴァレット

おもむろに一息で読んだ本。 出口裕弘、『辰野隆 日仏の円形広場』、新潮社、1999年 半ばまではとても面白い。後半はやや「ふくらまし感」ありか。 というか、この本全体がそれ自体として、日本における仏文学に携わってきた人の思いの記録ということで、 こ…

笑わせてみる

「ゆる度」向上を目指して笑わしてみる。 そんなことばかりしてるわけではないのですけども。 『女の一生』だ、と一度は思ってみるものの、 その前に片づけないとだめなことがやはりたくさんあることを認めざるをえず、 これは困ったなあと。 1881年7月―9月…

ゆるキャラのつもり

時流に乗って(つうか乗り損ねて今更か) いわゆる「ゆるキャラ」で勝負すんぞ、と思いたつ。 これで「モーパッサンを巡って」も千客万来。 名前はくるしまぎれに「むっしゅー・ぎー」(仮称)。 断じて「ミスター・ガイ」ではありません。それはいやだろう…

レコー・ド・パリが読めるなんて

これまた一年ぶりに描きなおしのサミュエル・ベケット。 なぜベケットか(ただの条件反射なので、特に意味はない)。 なんとなくデュラスの『苦悩』と「待ち」つながりで、て、ただのこじつけです。 『ゴドーを待ちながら』の場合、客観的にはゴドーさんはま…

絵はまだないけど

とりあえず告知のみ(ただ今21日午前4時25分)。 モーパッサン 『一冊の書物を巡って』 10ヶ月ぶりの翻訳、10ヶ月ぶりの更新です。 嬉しくって泣いちゃいそうです。 「偽善」を語らせたらモーパッサンは一級品です。 ぜったい面白いので、ご一読いただけたら…

太宰施門『バルザック以後』

ようやく、お教えいただいた 太宰施門、『バルザック以後』、山口書店、昭和18年 を読む。 つねづね辰野隆は日本における仏文のご本尊なので敬うべしと申し上げておるのだが、 太宰施門は西方分派のご本尊みたいな方なので、関西在住者はあだおろそかにはで…

親と子とオルラ

時の経つのは早すぎて、有言不実行の不甲斐なさよ、と。 竜之介様、これまたどうもありがとうございます。 モーリス・ルヴェルはなるほどどこかで誰かがモーパッサンと関連づけて言及していた ような記憶がありますが、いまだ読んでおりませんでした。 太宰…

あばずれのローザ

さすがに我ながら物好きとは思いつつ、もう一冊届いたので確認。 あたちたちは、ちっちゃなお池とおわかれちてきたんですよ! グワ! グワ! グワ! ちっちゃな金串とおちかづきになるためにね――グワ! グワ! グワ! (モーパッサン、『脂肪の塊・テリエ館…

みたびの家鴨

モーパッサン、『快樂』、長塚隆二譯、三笠文庫、1952年 いまさらですが、50年代、60年代には巷の文庫にモーパッサンが溢れていました。 それにしてもこの「快楽」なるタイトルは何なのか。 とずっと思っていたのであるが、現物を見て納得する。 以上、『マ…

毎日がお祭り

「メゾン・テリエ」の家鴨について一例追加。 「あたちたち、小っちゃなお池と別れて来たの。グワッ! グワッ! グワッ! 小っちゃな金串と、お友だちになるために。グワッ! グワッ! グワッ!」ドッと女たちが笑い崩れた。 (モーパッサン、『メーゾン・テ…

家鴨の鳴き声

「メゾン・テリエ」の中で、列車の中で女達は農民の夫婦と一緒になり、 そこに軽薄な小間物商の男が乗ってきて大騒ぎになる場面があるのだけれど、 そこに出てくる家鴨の話。 そういえば、モーパッサンに出てくる「カナール」はカモかアヒルか調べた方もおら…

ルイーズ・ミシェルをからかう

1880年春にモーパッサンは日刊紙 Le Gaulois と契約し、 基本的に週一回(とはいえ実際は大変まちまち)記事を掲載するようになる。 その『ゴーロワ』が、いまやGallicaで全て閲覧することができるのであるが、 しかもいつの間にか、OCRで読みとったテクスト…

短編「刹那」

岸田國士を仕舞ってたら、かわりに出てきた本があったので、 そうか、この話はしていなかったなと思う。 おそらく、日本で一番読まれたモーパッサン偽作の話。 『モオパッサン選集』、平野威馬雄訳、新潮文庫、1934年初版(1939年25版) には19編の短編が収…

岸田國士「二人の友」

『モオパッサン 二人の友』、岸田國士訳註、白水社、仏蘭西文学譯注叢書第一篇、1925(大正14)年 岸田國士がパリ留学中に日本に原稿を送ったが紛失、 関東大震災の後、白水社で発見され、出版となった、 と、「巻頭言」に内藤濯が記している。 ついでながら…

小林天眠と天佑社

さて天佑社に関して、Kさんにご教示いただいた本。 真銅正弘 他編、『小林天眠と関西文壇の形成』、和泉書院、2003年 小林天眠(本名政治、1877-1956)は兵庫出身の実業家。 明治30年から33年『よしあし草』、改題して翌年まで『関西文学』に関わり、自身も…

Mathieson『女の一生』

A Woman's Life, by Guy de Maupassant. Translated from the Latest French Edition, London : Mathieson & CO., LTD., n. d. 「食後叢書」ことAfter-Dinner Series を出していた Mathieson (これはマシエソンと読むのでよろしいのですか) からは Bel-Ami…