えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

モーパッサンの2作品、発見のニュース

ブログLa Porte ouverte の1月28日の記事 DEUX TEXTES RETROUVÉS DE MAUPASSANT : LE MARCHÉ AUX COCHONS, LA PLAGE DE DIEPPE | la porte ouverte に、筆者の Monsieur N が、モーパッサンの知られてないテクスト2編を発見したと報告されている、ということ…

『即効! フランス語作文』の音声について

『即効(スグキク)! フランス語作文 ―自己紹介・メール・レシピ・観光ガイド』の音声は、10月末より、iTunes Store でのダウンロードが可能となりました(500円)。FeBeではもう数日かかる模様です。たいへん長らくお待たせいたしましたが、ご利用いただけ…

「モーパッサンを巡って」移転のお知らせ

このたび、長らくお世話になっていたlitterature.jp から独立することになりました。 モーパッサンを巡って なんと、maupassant.infoのオリジナル・ドメインを取得しての再出発になります。 再出発を祝うべく、翻訳を一本掲載いたします。ふと勢いで「首飾り…

『即効! フランス語作文 自己紹介・メール・レシピ・観光ガイド』

このたび、フランス語の練習問題集を刊行いたしました。 足立和彦・岩村和泉・林千宏・深川聡子・Chris Belouad、『即効(スグキク)! フランス語作文 自己紹介・メール・レシピ・観光ガイド』、駿河台出版社、2015年 http://www.e-surugadai.com/books/isb…

浅草のどじょう屋

あるアンソロジーで読んだ『放浪記』の一節が記憶に残っているので、現物を確かめようと思って読み始めたら、読めども読めども出てこない。ようやくたどり着いたのは、戦後に書かれた第三部であった。 (三月✕日) うららかな好晴なり。ヨシツネさんを想い出…

地獄の薔薇

なんの言い訳もしようのないエディット・ピアフ。伝記を読んでいた頃に描いたものか。 ピアフは終日終夜雨降り続く地獄の底にすっくと立ち上がり、腐った薔薇を掲げて、尽きせぬうらみつらみを歌いやまぬ。コクトーは遥かな一等席もしくは天井桟敷から意地の…

イヴァン・トゥルゲーネフ(『ジル・ブラース』)

引き続き、モーパッサンの評論を翻訳。 モーパッサン 『イヴァン・トゥルゲーネフ』 イヴァン・トゥルゲーネフに関してはこれが4つ目にして最後のものとなる。 4つの翻訳の間に間違いなく進歩したのは絵の技術であるが、その他はどうなのか、なんとも心もと…

ああ、ユゴー

Le Magazine littéraireの4月号に、「フランスを代表する作家は誰か」というアンケートを取ったという記事が載っている。35人の作家の中から6名までを選ぶ、という形式で、回答者は1,006名(18歳以上)。その結果は以下のとおり。括弧内は%。 ヴィクトール…

私生活のギュスターヴ・フロベール

モーパッサンの評論を一つ翻訳しました。 モーパッサン 『私生活のギュスターヴ・フロベール』 お読みいただけましたら幸いです。 それにしても「頑として肖像画を描かせなかった」という人の肖像を描いて喜んでいるのもいかがなものなのか。 それはともかく…

シャルル・クロの頭

引き続き、何枚かの肖像画を追加。 その中の1枚がシャルル・クロ。なぜかほぼ完成状態で放置されていたものを仕上げる(元写真はナダール撮影のものの由)。 シャルル・クロに関しては、現在、日本語でもしっかりとした研究を読むことができて素晴らしい。 …

念願のデッサン集

Dessins autour de Maupassant 2 ずっと作りたいと思っていたページを、えいやっと作ってみました。 自分でも把握できていなかった、これまで描いた肖像画をあらかた集めました。集まったのは、とりあえず33人分47枚……。 (コクトーとかロチとか、この際の蔵…

自由思想

唐突に、やっぱり大事だろうあの記事は、という思いに駆られて一気に訳しました。 モーパッサン 『自由思想』 アンリ・ミットランはモーパッサンの批評文の中でももっとも暗いものの一つと呼ぶが、しかし「解説」にも記したとおり、社会生活上において我々の…

メヌエット

ふと思い立って、モーパッサンの短編小説を翻訳しました。 モーパッサン 『メヌエット』 とくに深い考えはなく、今回は短編集『山鴫物語』から一編訳してみよう、ということで、えいやと決めたのが「メヌエット」でしたが、新潮文庫、岩波文庫にともに翻訳の…

クリスマスの夜

モーパッサンの顰に倣うように、時事的な題材を選んで翻訳をしてみました。 モーパッサン 『クリスマスの夜』 お読みいただけましたら幸いです。 ルイ・フォレスチエの指摘するごとく、ここで語られるのは聖夜の「降誕」のお話であり、それは「同時にグロテ…

あるパリのアヴァンチュール

モーパッサン 『あるパリのアヴァンチュール』 モーパッサンの短編を翻訳しました。 新庄嘉章訳では「パリの経験」と訳されている作品。ここで aventure はもちろん「情事」も含意しているが、もう少し広い意味で「向こう見ずな冒険」のニュアンスを汲み取り…

うまくいかないこともある

最近読んだ本から、備忘のために脈略のない引用を残す。 トビを買いたいと思ったのは、雪がたくさんふった年のことだ。 (ユベール・マンガレリ、『おわりの雪』、田久保麻里訳、白水Uブックス、2013年、5頁) 準備はなにもいらない。学校の成績なんて関係な…

「親殺し」翻訳

これを機会にモーパッサンの短編の翻訳をしてみようと思い立ち、 モーパッサン 『親殺し』 モーパッサンの「親殺し」を翻訳してみました。 (全国の円朝ファンに)お読みいただけましたら嬉しい限りです。 短編の翻訳はなんと7年ぶりのことであります。 この…

対訳で楽しむ『脂肪の塊』第6回

『ふらんす』9月号に、 「対訳で楽しむ『脂肪の塊』」第6回(最終回)掲載されました(32-35頁)。 「脂肪の塊」不在の宴会の場面から、翌日の馬車の中の最後の場面まで、 コラムは「男性中心社会に生きる女たち」です。 お読みいただけましたら幸甚です。 …

ある風景画家の生活

夏休み翻訳できて嬉しいな。 モーパッサン 『ある風景画家の生活』 モーパッサンの「視線」に、どれほど同時代の画家と共通するものがあったか ということが、残念ながら日本ではあまり知られていないのではないかと思い、 翻訳しました。 お読みいただけま…

対訳で楽しむ『脂肪の塊』第5回

遅くなってしまいましたが、 『ふらんす』8月号に「対訳で楽しむ『脂肪の塊』」第5回掲載されております(p. 32-35.)。 いよいよ大詰め、旅客たちによる娼婦「脂肪の塊」攻略の顛末です。 コラムは「スクリーンの中の『脂肪の塊』」。挙げた作品は5本。 皆…

平野威馬雄の「祈り」

祈り……モオパッサンへ 頭髪よ 重き憂の鼓動に泳ぎ 靈の舗道に笑ふ頭髪よ 汝は温かき陽の唄ふ時に、 樂園の色を、透明に映し 年若き狂人を喜ばしめ、 冷たき午後の陽差しうなだれ歩む時に、 枯れ朽ち乾くが如き音にて、 さらさらと動く。 而して、青き頭髪よ…

スノーピアサー

『スノーピアサー』と『風立ちぬ』をビデオで鑑賞。ポン・ジュノすごい。 引き続き細々読んだ岡田先生のご本。 岡田温司、『グランド・ツアー 18世紀イタリアへの旅』、岩波新書、2010年 ――、『デスマスク』、岩波新書、2011年 ――、『黙示録 イメージの源泉…

対訳で楽しむ『脂肪の塊』第4回

また今月も宣伝になります。 『ふらんす』7月号に、 「対訳で楽しむ『脂肪の塊』」第4回、掲載されています(32-35頁)。 宿屋に足止めされた理由が明らかになる、物語中盤の山場になります。 コラムは「『脂肪の塊』ってなによ!?」 ヒロインの名の訳語に…

対訳で楽しむ『脂肪の塊』第3回

いささか遅くなりましたが、 『ふらんす』6月号に「対訳で楽しむ『脂肪の塊』」第3回掲載されております。32-35頁。 馬車の中で、「脂肪の塊」が皆に弁当を分け与えることで、 最初自分を馬鹿にしていた貴族・ブルジョアの面々に受け入れられるまでです。 コ…

「田舎のヴィーナス」翻訳

連休中におとなしく、積年の宿題をこなす。 モーパッサン「田舎のヴィーナス」 モーパッサンが1880年に刊行した『詩集』の19の詩篇中の最後の1篇。 「最後の逃走」の翻訳が2008年初めであったから、まる6年かかったことになる。 といっても、もちろんのごと…

対訳で楽しむ『脂肪の塊』第2回

宣伝ばかりで恐縮です。 『ふらんす』5月号に、「対訳で楽しむ『脂肪の塊』」第2回が掲載されています(32-35頁) 今回は馬車に乗り合わせた乗客たちのプロフィールになっています。 モーパッサンの描写の妙をじっくり味わっていただけましたら幸いです。 コ…

対訳で楽しむ『脂肪の塊』連載開始!

竜之介さん、長い間のご無沙汰どうも失礼いたしました。 昨年度に職場環境ががらりと変わっていらい、 まったくこちらへ戻って来ることのできない日々が続いておりまして まったくふがいないばかりです。 もうブログの書き方忘れてしまいました…。 でもとに…

バンヴィルとモーパッサン

余勢をかうように次の翻訳を掲載。 テオドール・ド・バンヴィル 『誠実さ』 訳してみたら、バンヴィルの文章は たいへん古典的にレトリカルなもので いささか苦労した上に、結果としても読みにくい。 しかしモーパッサンがよく売れて、 たちまち一流作家の仲…

『今日の人々』のモーパッサン

鹿島茂・倉方健作、『カリカチュアでよむ19世紀末フランス人物事典』、白水社、2013年 刊行を寿ぎ、勝手に便乗企画を立てました。 ピエールとポール 『ギ・ド・モーパッサン』 件の『今日の人々』の第246号、「ピエールとポール」の手になる モーパッサンに…

ジャン・リシュパン

勢いあまってジャン・リシュパンの顔を描く。 実にまあ作品に相応しいいかつさであった。 せっかくの連休にこんなことして、と思うが、 連休でもなければこんなことできないしなあ、とぶつぶつ呟くうちに 連休は終わっていくのであった。 まあ、そんなもんだ…

フランス自然主義文学

おもむろに宣伝させていただきます。 アラン・パジェス、『フランス自然主義文学』、足立和彦訳、白水社、文庫クセジュ、2013年5月 もうすぐ刊行です! Q980 フランス自然主義文学 - 白水社 この際アマゾンもはっつける。 Amazon CAPTCHA はるか以前から出し…

密度の濃い人生

まる二日間、部屋の中を片づける努力をする。 努力は努力。 長らく、寝る前用だった シモーヌ・ベルトー、『愛の讃歌 エディット・ピアフの生涯』、三輪秀彦訳、新潮社、1971年 をようやく読み終える。なんだかずいぶん長かった。 つまるところ、ピアフの恋…

『ベラミ』映画公開に寄せて

人、それを便乗と呼ぶのであるが、 なにはともあれ、 映画『ベラミ』の日本公開を祝いたい。 http://www.belami-movie.info/index.html フランス語でやれ、と言っても仕方ないし。 さて、素晴らしいのは映画化の波及効果である。 (波及効果で仕事が回ってく…

年の終わりに

放心している間に3ヶ月過ぎてしまう。 せめて(だいたい)今年ビデオで観た映画を 発表年順に並べてみる。 『北ホテル』(1938) 『嘆きのテレーズ』(1953) 『白い馬』(1953)、『赤い風船』(1956) 『死刑台のエレベーター』(1958) 『モンパルナスの灯』(1958) …

モーパッサンのお墓に

夏の終わりに、 モンパルナス墓地にある、 モーパッサンのお墓にお参りしておこう。 この夏の個人的課題は、 日刊紙『ジル・ブラース』を読むことだった。 1881年末にモーパッサンが寄稿を開始した時、 紙上ですでに活躍していた作家の中心メンバーは テオド…

ジョルジュ・サンドの理想主義

似顔絵の次は彫像と、 我ながらそんなに「顔」が好きなのかと呆れるが、 これまたおじさんばかり続いた後には、 ジョルジュ・サンドに救いを求めるのだった。 リュクサンブールのサンド像は、 François Sicard (1862-1934)により、1905年作の由。 いかにも19…

ルコント・ド・リール的絵画

またリュクサンブール公園に戻って、 この公園随一の仰々しい大作、 ルコント・ド・リールの像。 Leconte de Lisle (1818-1894). 豪勢な名前だが、貴族ではなかった。 「前の名前」はシャルルであるが、 姓だけをペンネームのように使ったので、 もっぱらル…

シャトーブリアンの時代

パリ、7区。 Square des Missions étrangères にある シャトーブリアンの像。 彫刻家 Gambierによって1948年に作られた由。 この公園はrue du Bacに面しているのだが、 この通りの住居に、晩年のシャトーブリアンが 住んでいたのにちなんでいる。 そういえば…

ミュッセ頌

モンソー公園に戻って、 ミュッセ(1810-1857)の像。 Alexandre Falguière (1831-1890) が手掛けたものを、 Antonin Mercié (1845-1916) が完成させたものらしい。 1906年にコメディー・フランセーズの前に置かれ、 後に今の場所に移された由。 「夜」連作詩…

靴底が前のランボー

ここのところ度々お世話になったT君に 感謝の気持ちを込めて、 ランボー像をささげます。 パリ4区、place du Père-Teilhard-de-Chardin にある Jean-Robert Ipoustéguy (1920-2006)による "L'Homme aux semelles devant" 「靴底が前にある男」という題の作品…

モーパッサンの石像に

あちこちに頭を下げてばかりいると モーパッサンに怒られるというか 呆れられそうな気がしないでもないので、 モンソー公園のモーパッサン像。 なにやら子どもがおったり、 頭に鳩がとまったりしてますが、 みんなに愛されるモーパッサン、 ということにして…

モンテーニュの顰み

19世紀ばかり続いたので、 今度はモンテーニュ。 rue des Écoles, ソルボンヌの真横あたり。 Wikipédia によるならば、 Paul Landowski (1896-1961)の作。 1934年にパリ市に寄贈される。 もとは石像だったが、1989年に、 学生によるいたずらや破壊によりよく…

スタンダール徒然

ロダンといえば、 リュクサンブール公園にも像がある。 今度はスタンダール。 1920年に設置らしいが、正確なことはよく分からない。 ブロンズが溶け出してるんでしょうか。 彫刻家David d'Angers のデッサンに基づくものの由。 バルザックといいスタンダール…

時々はバルザック

私自身が「彫像熱」statumanieに憑かれたみたいに なってますが、ロダン作のバルザック像。 ロダン美術館にある方が元のようで、 これはラスパイユ通りとモンパルナス通りの交差点にあるもの。 1939年に設置された由。 ロダン作バルザック像は、 文学者協会…

『ジル・ブラース』の標語

リュクサンブール公園には ヴェルレーヌの像もある。 実物はやたらに大きいことに驚かされる。 Auguste de Niederhäusern, dit Rodo (1863-1913)作。 1911年に公園に置かれたものの由。 これまたすり減ったのか、なんだか可愛らしくなっている。 3人の女性の…

読書の影響

何の脈絡もなく、 リュクサンブール公園のボードレールの像。 なんとなくおかっぱ頭に見えるのであるが、 古びてすりへったからかしら。 Pierre-Félix Fix-Masseau (1869-1937)の作、 1933年に制作、 公園に置かれたのは1941年である由。 よく見ると台座に詩…

我らがモーパッサン

通りすがりの猫、一匹。 だから何と言われても困ります。 フランス語の文章では同じ単語の繰り返しを嫌うので、 「モーパッサン」の言い換えに、文脈に合わせて「作家」「小説家」「時評文家」 あるいは「『女の一生』の作者」等々をひねり出さないといけな…

パリ、モーパッサン通り

マルモッタン美術館から徒歩で10分くらいのところ、 16区の閑静な住宅街の中に、 ギ・ド・モーパッサン通りがある。 別にモーパッサンと縁があった場所でもないのだけれど。 長さ90メートルほどの短い通りで、何があるわけでもないが、 パリに住めるものなら…

エッフェル塔は5フラン

写真を貼れることを、おもむろに思い出す。 ご近所のカモさん。お名前は分かりません。 古書市で見つけた本。 Exposition de 1889. Guide Bleu du Figaro et du Petit Journal, 1889. 万博に関しては研究がたくさんあるので、あまり近づかないようにしている…

筆名の氾濫

La pseudonymie contemporaine (...) a pris en effet, dans ces dernières années, des développements considérables et jusqu'alors inusités. (...) Aujourd'hui la pseudonymie s'est généralisée et étendue à un tel point que les mêmes pseudonymes…