えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

フランス・ルネサンスの人々(2)

やはり最後まで読まねばいけないもので、セバスチヤン・カステリヨンも含めた
3人(カルヴァンロヨラ)を合わせるところに重要な意義があった。
つまりは元の『三つの道』には、解説の大江健三郎いうところの
「さしせまったメッセージが流露している」のである。
次のカステリヨンの言葉はぜひとも引用しておきたい。

願わくば、神よ、恩寵により一刻も早く貴君方全部が、正しい考え方に戻れるようにしてくださいませ。もしそうしてくだされば、私は、神を讃え奉りましょうが、もしそうしてくださらなくとも、私は私の義務を果したことになりましょうし、どこかの誰かが、これから何かを学びとり、私が真実を述べたということを認めてくれるだろうと念願いたします。そうなった場合、その人が、たとえ一人きりでありましょうとも、私が無駄骨を折らなかったということになりましょう。(353ページ)


生半可ではこういう言葉は吐けないもので、彼が現に置かれた状況を慮れば、ここには虚栄が一切混じっていないものと思うし、そのように受け止めたい。
そして、この本を読んで忘れてはいけない言葉を記して、就寝することにする。
Quid haec ad Christum (humanitatem) ?
(それはキリスト(人間たること)と何の関係があるのか?)