本日届いた本。
Guy de Maupassant et les voyages dans la nacelle du Horla,textes et documents inédits réunis, annotés et présentés par Jean-Marc Montaigne, Rouen, ASI Editions, 2007.
普通の本屋ではひっかからず、ルアンの本屋さんに注文したもの。
モーパッサンは1887年、および88年の二回にわたって、気球で空にのぼっている。
本書はそれに関する新聞・雑誌記事を網羅的に集めたもので、88年に L'Illustration に掲載されたモーパッサンのクロニック「雲の上」Sur les nuages はこれが初掲載との由。
実に189ページにわたって、短編集『オルラ』の書評からはじまり2回の旅行に関するパリやノルマンディーの新聞雑誌記事を集めた、実に浩瀚な労作である。
当時気球で上空8000メートルに上るというのは技術的にも目覚ましいことだったようだけれど
当代きっての人気作家がそれに同乗して、おまけに気球の名前も彼の著作からとって
「オルラ」号と名付けるあたり、実にもってジャーナリスティックなトピックだったわけだ。
（商売がらみで）旅する作家の走りといっていいのかもしれない。
実にまったくマニアさん向けの本です。マニアさんにはたまりません。お値段は28ユーロなり。
