えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

ラ・グルヌイエール

ところで、5月14日付日本経済新聞の文化欄に
小倉考誠「セーヌの姿十選」第七回の記事があって、
お題はルノワールの「ラ・グルヌイエール」
(なるほどgrenouillèreの原義は「蛙のいる沼地」ですが、
ここのラ・グルヌイーエルは多分固有名詞なんだけと、それはともかく。)
M君の名前が出てきたので引用しておこっとね。

パリ西郊のセーヌ川沿いは、十九世紀後半に行楽地と化していく。市民の憩いの場であると同時に、遊び好きの男女たちにとっては手軽なアヴァンチュールの空間だった。水と快楽の繋がりは深い。文学の世界では、みずからも熱烈なボート愛好家だったモーパッサンが、セーヌ河畔を舞台にしたいくつかの短編でその享楽的な雰囲気を喚起している。

まったくおっしゃる通りです。幾つかの短編とはずばり
「ポールの恋人」「イヴェット」「ムッシュ(蝿)」ですな。という愛好家的注釈のみ付しておこう。
ちなみに、かつてラ・グルヌイエールのあったところの岸部には現在小さなミュゼがあるんですよ。
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小さな島の通称は「カマンベール」。毎週木曜日にはダンスパーティーが開かれて
19世紀後半の娯楽場でした。ずばり「パリジャンのトゥールヴィル」。
と、歴史も詳しく記されているんですよ。