えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

雨降りの日曜日

は悪くない。外出しない日はだけど。昨日とうって変って寒いぐらい。
今日も続けて4章訳す。残りあと6章。
いつしかお話はマニュスクリの著者は誰であるか?という作者探しが
問題となっていく。訳してようやく分かったことがあって(遅い)、
22・23章で問題になっているところの、
オノリーヌがお猿を拷問にかける時に見せていた料理は何だったのか
ということ。よく読めば分かる通り、これはエラクリウスの大好物の
ウズラの串焼きだったのだ。
「どこで博士は発見したか、思っていた以上に猿が自分に似ているということを」
という22章のタイトルはそういう意味であった。なるほど。
それにしてもこの作品の文章はぎこちないというか堅苦しいというか
要するに古典っぽい。擬古典調とでもいうのだろうか。時代に逆行している。
たとえばこんな訳文。
「そして、そうしながら、怪物は満足げに顔をしかめて笑ったのであるが、それがあまりにもぞっとするものだったので、アダムが宿命の林檎の実を取るのを見た時のサタンでさえ、確かにこれ以上に恐ろしい笑いは見せなかった。イヴからオノリーヌに至るまで、女性が絶えず我々に差し出すあの林檎である。」
これが原文

et, ce faisant, le monstre grimaçait un sourire de satisfaction si épouvantable que Satan certes n'en eut pas de plus horrible quand il vit Adam prendre la pomme fatale que depuis Ève jusqu'à Honorine les femmes n'ont cessé de nous offrir.
(プレイヤッド1巻、37-38ページ)

なかなか骨が折れる。