えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

アルフレッド・ル・ポワトヴァン

余韻に浸りつつも、本日ようやく届いた本。
Alfred Le Poittevin, Une promenade de Bérial et œuvres inédites, précédées d'une introduction sur la vie et le caractère d'Alfred Le Poittevin par René Descharmes, Paris, Les Presses Françaises, 1924.
まだちゃんと読んでないけど(あ、またやってしもた)。
ルフレッド・ル・ポワトヴァンは1816年生まれ、1848年死去。ルーアンの学校に通った後、パリで法学士号取得、
ルーアンに戻って弁護士の職についた。5歳年長の彼はフロベールが出会った最初の文学的友であり先輩となった。
『聖アントワーヌの誘惑』は彼に捧げられている。
もっともフロベールによる伝説化に留保を払えば、ル・ポワトヴァンは30年代あまたいたであろう
ロマン派かぶれの文学青年の一人にすぎない、と言えるのかもしれない。具体的な出来事はほとんどなかった
であろう初恋の記憶を愛しみ、現実生活に夢破れたメランコリーに耽りつつ、無気力に侵され倦怠と
放蕩に日々を過ごしながら、やがては堅実な職業につき、結婚もして「ブルジョア化」してゆく。
夭折ということがなければ、彼の生涯がそれほど伝説味を帯びることは、なかったのかもしれない。
と意地悪く思いもするのだけれど、しかしそれでも彼の存在がフロベールにとって重要な意味をもった
という事実はもちろん変わらない。
ところで肝心の「べリアルの散歩は」
Orange
で読むことが出来るのであった。うーむ。えらいひとがいるものだ。
中身については読んでから。