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えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

音楽史あれこれ

読書

岡田暁生『オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」』中公新書、2006年再販
岡田暁生西洋音楽史 「クラシックの黄昏」』中公新書、2006年(4版)
伊東信宏『バルトーク 民謡を「発見」した辺境の作曲家』中公新書、2006年再販
備忘録がわりに。
岡田せんせいは二度ばかり(遠くから)拝顔したことがあって話の上手な人であることよ、
と感動したので。文章も実に明快で歯切れよくて面白い。それぞれコンセプトは
冒頭に書かれてあるとおりであるので説明は省略だけど、
「歴史を語る」とは常に私と歴史との対話である以上、客観性を装うのは一種の欺瞞ではないか
という姿勢がたいそう潔い。
一か所、ものすごく腑に落ちた箇所だけ引用。

ロマン派音楽とは「ロマンチックな時代のロマンチックな音楽」などではなく、「どんどん無味乾燥になっていく時代だったからこそ生まれたロマンチックな音楽」なのである。
西洋音楽史』169ページ。

バルトーク』のほうはぐっと専門的な内容ながら、しかしこれがまた面白くて、ハンガリー音楽をめぐる
リスト、バルトークラヴェルをめぐっての考察もスリリング。民謡研究者バルトークの全貌はこれから
明らかにされるのだ、という結末に研究者の心意気が窺われるのもよろし。