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えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

フランス現代史

渡邉啓貴『フランス現代史 英雄の時代から保革共存へ』中公新書、1998年。
とりあえず目下のところ、頑固一徹硬派の中公新書を一押しなのである。
それはそうと、第五共和制より第三共和制についてのほうがまだ明るい、というのもどうかと
思われるわけで、おもむろに現代史のお勉強。
ドゴールの「偉大さ」とミッテランの難解さと五月革命がなんであったかとコアビタシオンについて
啓発されるところ大。なるほどそういうことだったのか。
この本は戦後ドゴール臨時政府、第四共和制の後、
ドゴール、ポスト・ドゴール(ポンピドゥー、ジスカール・デスタン)
ミッテランシラク(途中)と、第五共和制は大統領によって時代を区切って論じられているのだけれど、
つまり第五共和制における大統領とはそういう存在なわけなのね、ということをまず納得。
その分、本書は「政治史」の側面がより前に出ているのかなという印象はある。
それはそうと、通読して素朴に思うのは、70年代以降の政治はなんだか同じことの繰り返し
ということで、景気回復ばらまき型と緊縮財政の間、社会主義的政策とネオリベラリスムの間
を絶えず行ったり来たりしながらも、結局のところ根本の社会問題(失業、社会保障、移民)
の解決はぜんぜん容易ではなく、ストとデモが繰り返され、内閣ばかりが入れ替わるのだ。
(ストとデモがかくもフランスの伝統であることには感心させられる。いまもおんなじだし。)
その意味だけでいえば、やはりドゴール時代のほうが読みものとしては面白い、ということになる。
しかしこの本が出てからはや10年になろうとしているし、その間にも実に色々あった。
大統領も変わった今、本書が改訂再販されればいいのになあ、というか、
シラク時代は何だったのか、という総括がされねばなるまいのだろうということを
思うわけでありました。