えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

ペルセポリス

Persepolis, 2007
マルジャン・サトラピの自伝的青春絵物語の映画版で、これはちゃんと映画館で鑑賞。
うまく言えないのだけれども、画面の構図や動きが独特で、
白黒の簡略化された絵を大変よく引き立てて効果を挙げていて目が離せない。
単に元のマンガが動いているのではなく、マンガとは別の独自の美学がしっかりと
存在しているように感じられた。大変に美しい。
イランの歴史と社会を世界に知らしめた功績はそれとして大きいだろうし、
実際なんとまあ大変な話であろうかと思う。そんな中でもユーモアは失われず
家族の絆がしっかり存在しているところがやはり感動を与えずにはおかない。
一方で、少女の成長の物語というのは普遍的なものでもあるわけで、
特別だけれども特別でない話でもあるバランスのよさが、国境を超えることのできる
理由だろうか。
大変丁寧に作り上げられたよい映画でありました。ブラボー。