えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

Les Nouveaux Chemin de la connaissance

http://www.radiofrance.fr/chaines/france-culture2/emissions/chemins/
ラジオ、フランス・キュルチュールの「知識への新しい道」というコーナー
で今週(1/21-25)はフロベールの特集があった。
そして来週(1/28-2/1)はモーパッサンの特集なのである。Podcastで聴けるので、大層楽しみなのである。
ちなみにフロベールの最終回は、ゲストがThierry Poyetでお題はMaupassant, le "cher fils"
モーパッサン、「親しい息子」」。両作家の関係が話題。
それというのも、
Thierry Poyet, L'héritage Flaubert Maupassant, Kimé, 2000.
フロベールモーパッサン間の相続』という本がある。
これも真剣に聴いてとても興味深く、来週がいよいよ楽しみである。
まず全体のお題は"Maupassant, la bête humaine" これは「モーパッサン、獣人」とは訳せないので、
「人間の愚かさ」とか「人間の中の動物的なもの」とかいうことになろうか。
ペシミスティックな面が出ているけれども、これはなかなかよいお題目であると思う。
都合五回のラインナップは
1/28 Une vie, Mariane Bury
1/29 Bel-Ami, Noëlle Benhamou
1/30, 31 philosophie de Maupassant, Jean Salem
2/1 le fantastique du taureau littéraire, Nadine Satiat
である。
あえて下から行くと、ナディーヌ・サチアは大学の先生ではないけれど、
モーパッサンのめちゃめちゃ浩瀚(700頁)な伝記を著した人。
ジャン・サレムはパリ第1大学で『モーパッサンの哲学』の著あり。
この人が二回分なのは何故だろうか。
そしてノエル・ベナムー先生は、皆さんご存知(違うか)、私にデッサンのお話をくださった
先生だ。現在はITEM-CNRSご所属の由で、
Maupassantiana, site sur Maupassant et son oeuvre
を運営なさっており、怒涛の論文執筆中の、今一番活躍するモーパッサン研究者の一人。
そしてマリアヌ・ビュリー先生はパリ第4大学で、何を隠そう
私の先生である。その方のご講話が楽しみでなくてなんであろう、という話なのです。
それはともかく、
Mariane Bury, La poétique de Maupassant, SEDES, 1994
モーパッサン詩学』はモーパッサン研究における画期的著作と私は信じて疑わない。
この本についてはいつかちゃんと語っておかないといけないのであるけれど、今日はまあよしとして。
フロベールの回も見事に大物を揃えていて壮観であるが、このモーパッサンの週も
(そういうわけで)大変よく頑張っているのであるフランス・キュルチュールは偉い。
もちろん名誉教授級のもう一世代上、ルイ・フォレスチエ、マリ=クレール・バンカール両先生
を引っ張り出してきて頂ければこれは感無量というものであったが、無論、贅沢は言うまい。
いやー、こうやって記しているだけでも私の心臓はなんだかどきどきしてしまうのであるが、
ま、この気持ちはなかなか分かってもらえないとしても仕方あるまい。
というわけで一人で興奮中。