えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

採点

試験が終われば、採点をしなければいけません。
これがまあ、物理的にも心理的にもなかなか
難儀な仕事ではあります。


DVD2本目は「モランの豚野郎」こと "Ce cochon de Morin" から(1時間)。
亡くなったモラン氏の死亡記事を書くことを頼まれたラバルブが
10年前を回想する、という出だしで、原作とは異なる枠が採用されている。
なるほどそういう手もあったか。
原作のどぎついところをやわらげた感じで、観やすい仕上がりになっている
かと思うけれど、その分、「色男ラバルブの儲け話」みたいな
感じが強まっているかな。
記事を書き終えたラバルブが、偶然に今は既婚のアンリエットに再会し、
代議士に立候補するという彼に、彼女はどうしてパリに出ないのかという。
夫は有力なつてを持っているし、文学的野心をかなえたいなら、
自分は毎週、詩人達をサロンに招いていると。
「まったく俺はモランの世話になりっぱなしだ」というラバルブの台詞が
一種の落ちになっているのだけれど、その時、彼女は自分の住所を
16, rue Clauzel と(たぶん)告げている。
17, rue Clauzel が、実は若い頃モーパッサンが住んでいた場所。
これも通向けの目配せかと思う。
監督は Laurent Heynemann。