えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

独裁者

The Great Dictator, 1940
そういうわけで以前に購入のこの作品を観る。
ずっと前に観た時は素直に感動に溢れた最後のシーンが
驚くほどストレートなメッセージであることにこの度は若干驚く。
年を取るというのは度し難いものだ。
飯田さんご指摘の通り、ここで独裁者ヒンケル
「気弱な一面を併せ持つ、多面的な人物として描かれている」(142頁)
ことがとりわけ興味深く思われた。それは多分、チャップリンの戦っている
本当の相手とは、一人ヒトラーという人物ではなく、彼をして独裁者たらしめた
何物かであったからではないだろうか。という風に思う。