えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

なにがなんだか

いきがかり上、偽作関連の資料を久し振りに整理するも、
やればやるほど泥沼であることだけが分かる。
たとえば、「食後叢書」5巻、ダンスタン3巻の"Mad"
なる短編は、タイトルにこんな注がついてるのに気づく。

This manuscript was found among the papers of Viscount Jacques de X- who committed suicide a few years ago, in his room in an hotel at Piombières.—R.M.
(The Works of Guy de Maupassant, Bigelow, Smith & Co, 1909, t. 2.)

This manuscript was found among the papers of Viscount Jacques de X— who committed suicide a few years ago, in his room in a hotel at Piombières.
(The Life Work of Henry René Guy de Maupassant, London and Ney York, W. Dunne, 1903, t. 3, p. 38.)

このR. M.がルネ・メズロワ以外の誰かだったらその方が私は驚くが、
それにしても、こんな注までそのまま載せる「食後叢書」の意味不明さ
(もっとも、ほんまもんは未参照。やはり必要かなあ。)
も凄いし、そこだけさりげなく削除する Walter Dunne も面の皮が厚い。
いずれにせよ、メズロワがまだ隠れていることは間違いなかろう。
http://www.derbycityprints.com/doc-details-1088-author.htm
そう思って探せば、なんとメズロワの文献目録が見つかったりするのだが、
そこに並んでいる本の数といったら、数える気にもならないね。
これではとても埒があくものか。
と思うのだがしかし、その中にこういう本があったりするから性質が悪い。
René Maizeroy, En folie, Ollendorff, 1894.
うーむ。
これは相当胡散臭いのではないか、と私には思われるので、
ついつい本屋さんに行ってしまうのであるが、
こんなことではお金ばかりかかって大変である。
そんなことをしている場合ではないのだぞ。