えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

ハリウッド100年のアラブ

村上由見子、『ハリウッド100年のアラブ 魔法のランプからテロリストまで』、朝日選書、2007年
『イエローフェイス』と対になっているようでいて、実はだいぶ違うコンセプトで書かれたもの。

 本書ではたんにハリウッド映画そのものを分析するのではなく、アラブの歴史をひもとき、アメリカ・アラブ関係史を振り返りながら、そこにハリウッド映画を並べて見ていくことにしたい。いうなれば「ハリウッド映画に見るアラブ」ではなく、「ハリウッド映画からは見えないアラブ」と「アラブ描写から見えてくるアメリカ」を探る試み、となるだろうか。(13頁)

その試みは見事に成果をあげていると思う。大変な力作で読み応えあり、これは勉強になりました。