えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

帰宅

2日より新潟へ。一年経ったことをしみじみ思う。
読んだ本について(と思ったら本を探さねばならない。読んだ端から室内失踪、どこいった。)
アーサー・マッケン、『白魔』、南條竹則 訳、光文社古典新訳文庫、2009年
目に見える世界はあやかしであって、真に生きるに値する世界はその奥に、
というか見えないところに、というかなんしかどっかにあるのである。
オカルトというか神秘主義というかであるが、ある意味象徴主義でもあり、
1863年生まれの作者はたしかにその世代でもある。もっとも文学流派とは
あまり関係はなかろうが。表題作と「生活のかけら」という作品がメインであり、
とりわけ後者はウェールズ地方と深いつながりがある、のは分かるが、
そのあたりの知識が私にないのが、問題なのかもしれない。
なんにしてもいかにも国書刊行会の本書まで出るとは、勢いというのは
大したものだなあ、とか。