月一マラルメ。新顔さんあり。
『ラ・プリューム』、1893年2月15日。
2月9日の同誌主催の宴会の席で朗唱されたもの。最初の題は「乾杯」。
以下、お世辞にも上手と言えない拙い訳。
挨拶
何もない、この泡、無垢なる詩句
ただ杯を示すのみ
そのような一団が遠くに溺れる
セイレーン達、数多く、逆様に
我々は船出しよう、おお、様々なる我が
友等よ、私は既に船尾にあり
諸君らの豪奢な船首は切り裂いてゆく
雷と冬との波間を
麗しき陶酔が私を誘う
その船揺れさえも恐れずに
立ち上がり、この挨拶を捧げるようにと
孤独、暗礁、星
我々の帆布の白き憂いに
値したあらゆるものに対して
Deman版(1899)で詩集の巻頭に置かれ、マラルメは小さいイタリック体で
エピグラフのように印刷するよう指示を残していた。
同朋との連帯から、読者への呼びかけに。
詩作が荒海への航海であるなら、詩を読むことも一つの冒険である。いや、
「私の詩を読むこと」はそうである、とマラルメは言っているのか、どうなのか。
読み終えた後、rienさん差し入れのシャンパンで乾杯。
そうでなくっちゃね。ごちそうさまでした。
夜は中華。紹興酒。