えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

二十四時間の情事

Hiroshima, mon amour, 1959
考えてみれば私はデュラスもアラン・レネも苦手なのであった。
筋だけとればめちゃ簡単ながら、なかなかどうしてむつかしいなあと。
戦争がもたらした体験を告白する相手が、やはり戦争で傷を負った異国の異性である
ということの内に、デュラスが描きたかったものとは何なのか。
それはそうと、演出上フランス語がすこぶる聞き取りやすい場合、字幕がかえって
混乱のもとになる、というのも珍しい体験で。中盤ずっと現在形でもって、
目の前の男と過去の男を重ねて語るようなところがあるのだけれど、
その辺のややこしさが、字幕では出し切れてないようにも思われるのでしたが、
だからといって何がよく分かったわけでもないところが、我ながらかなしい。