えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

観続け中

思えばこんなに立て続けに映画を観るのも久しくなかったことで、
いやまあ、映画観るのも体力要るのね、と軟弱者は思いつつ。
こういう本も読んだ。
国際行動学会 編、『文化摩擦における戸惑い』、創元社、2004年
文字通り海外において体験した戸惑いについてのエッセイ集。
頭で理解していることと、実際の体験を結びつけるのが意外と難しいのは、
体験はいつでも個別的なものであるから、それが一般化されうる事象である
と認識されるためには、やはり反復があってのことだろうからだけれど、
それでも難しいのは、どこまでが個別的であり、どこまでが一般的であるかの見極めだ、
というのが思ったことの一つ。
もひとつは、なるほどここに異文化あり、と認識した後の問題であって、
だからといってすんなり受け入れられるのであればいいけれども、
文化とは私のアイデンティティーの構成要素そのものであってみれば、
理屈が分かってもいやなものはいやだ、ということも十分にありえよう、ということ。
「戸惑い」とはおそらくはカルチャー・ショックのことであって、
その多くは経験の積み重ねによって解消されうるものであろう。
慣れというのは生きていくためには重要な能力だ。
だとすれば最初の戸惑いを忘れた後にこそ、本当に試される時がやってくるのではないかと。
もちろんのこと、違いを受け入れて、自分が変わっていければそれでいい。
でもそれはつまりは同化するということでもある。
それはいかんと言うつもりは毛頭ないのだけれども。