月一マラルメ。とりあえず訳す。
1893年と記載の手稿あり。1899年『詩集』所収。エリザベス朝式ソネ。
小曲 II
飼いならされることなく
我が希望がそこに身を投げ出す時
あの上で、弾け、失われたに違いない
激昂と沈黙とを伴って、
声、木立とは無縁な
あるいは、どんな木霊にも追われることなく
人生の別の時には
決して聞くことのない鳥が。
人に馴れない音楽家
それが、疑いの内に息絶える
もし、彼のではない我が胸から
より悪しき嗚咽が噴き出たのなら
引き裂かれ、なお全体のままにそれは
どこかの小道の上に留まるのだろうか!
「白鳥の歌」の伝説は、『パイドン』にあり、『博物誌』にも見られるが、
プリニウスは「私はそれを嘘だと思う」と言っている、とか。
そりゃまあそうだ。シューベルト。
私の希望を高みにと投げ出すとき、そこにいたはずの鳥は
声を発して姿を消す。決して飼いならされないこの鳥は、
疑いの内に息を引き取り、高みから地に落ちるが、
引き裂かれつつもなおまったき姿のままに、その亡骸は
地上のどこかに留まるのだろう、という詠嘆。
絶唱としての理想の詩は、ここでもまた到達不可能な「理想」として
描かれている、と、とりあえずまあ考えればよろしいのか。
しかしまあそれが七音節の小唄にうたわれるあたりには、
後年のマラルメの、あるいは余裕、あるいは諦念が見てとれよう。
サンタックスは相変わらず曖昧さを残す。
一生懸命読んだ後には、よくできた詩であるように思えてくるものであります。