えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

黄色いリボン

She wore a yellow ribbon, 1949
しかしまあ、物事はおしなべてそう単純ではなく。
この映画はつまるところ退役間近の老軍人をジョン・ウェインが好演しているということに尽きる。
どうでもいいけどジョン・フォードにとってはロマンスはただの味つけ
に過ぎないのは明白と思われるが、しかし大金投じたテクニカラーの目玉が
「黄色いリボン」というのでよかったのかな。
ジョン・ウェイン演じる大尉ネイサンは、インディアンとの戦争を回避するべく
夜襲で相手の馬を全部逃がすという策をとる。
インディアンは確かに西部開拓を阻害する「敵」ではあるけれど、
暴虐非道な「悪」として描かれているかというと、それは必ずしも正しくないように
思われるのでありまして、少なくとも「敵」に対しても敬意を表する男こそが、
あるべき英雄の姿であるらしい。
悪いのはいつでも武器を密売する商人である、ということなんだろうか。
(悪徳商人は『ソルジャーブルー』にも出てきたし。)