えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

バティニョールおじさん

Monsieur Batignole, 2002
監督・主演ジェラール・ジュニョ。
肉屋のバティニョール。娘の婚約者は対独協力者で、亡命ユダヤ人を密告し、そのお陰で
ドイツ側の優遇を受けて親父さんは、本人は積極的に望んでないけれども、
豪華なアパルトマンに引っ越し、トラックを譲り受けたりしているところに、
逃げ出してきたユダヤ人の少年シモンとばったり顔を合わせ、
やむをえず少年をかくまうことになって・・・。
自分の生活で手一杯がために、いわば日和見で暮らしている普通のおっさんが、
はじめは少年を厄介払いするつもりで東奔西走している間に、
次第次第に道義とか正しさとかに目覚め、彼自身が成長を遂げていく物語。
よく出来たよいお話。
ただしコラボはわるもんだったと割り切ってしまってよいならば。恐らく。
まあ、深く突っ込むとどろどろにならざるをえないところではあるのを、
なるたけ軽やかにまとめてみせるというのは、それはそれで一つの方法なのだろう
という風にも思うのだけれど。