えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

ピエロの赤い鼻

Effroyables Jardins, 2003
監督ジャン・ベッケル。
普通のおっさん二人組が、いいとこ見せようとレジスタンスぶって、
勢いで鉄道爆破してしまう。ところがドイツ軍は、市民四人を捕まえて、
犯人が自主しなければ彼らを殺すと宣告し、四人を穴の中に突き落とす。
当の二人もその中に入っており、降りしきる雨の中、絶望と迫る死の恐怖・・・。
ぱっと見たとこはよく出来た作品。ただ、枠の構成とか何とか、
いささか作りが作為的なところが目につくのがたまに傷かなあと、
思われないではなかったのでした。


一方にコラボ、対局にレジスタン、両者に挟まれるようにして、食糧難に苦しみ、空襲に怯えつつ、
早く戦争の終わることを待ち望む多くの一般の庶民。
フランスにとって第二次大戦は、要するにドイツに占領された、ということなのであれば、
それは、外から一方的に押し付けられた悲劇ということになるのだろう。
心ならずも非人道的な状況に巻き込まれる、という話型において、この三作が共通しているのは
だから、たまたまとばかりは言えまいのだろうな、と。
それが今の「フランス人」の戦争回顧のあり方の一つの型なのだろう、と。
とりあえず、そんなことを思いました。