えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

ルナール没後百年

ジュール・ルナール;Jules Renard

今年はジュール・ルナール没後百年の年。
(ということで描く。これぞ商業戦略。)
うーんと、まあマイナーな感じはありますけど。
そういえばルナールは1864年生まれで、
それはすなわち、モーリス・ルブランと同い年だった。
なるほど。
ルナールと言えばこの言葉。Maupassantianaから孫引き。

J'aime Maupassant parce qu'il me semble écrire pour moi, non pour lui.
Jules Renard, Journal, 13 février 1893.
私がモーパッサンを好きなのは、彼のためというよりも私のために書いてくれているように思えるからだ。
「日記」、1893年2月13日付

ふーむ、それってどういうことなのだろう。


ところで、いろいろ描いていて確信されるところのひとつは、
19世紀と20世紀を隔てるのはヒゲである
ということで、
二度の戦争を経る間に、男たちはヒゲを生やさなくなった。
同時的にステッキが消え、シルクハットが消え、燕尾服が消え、馬車が消えて、ガス燈が消えていった。
この観点からすると、ルブランやルナールはまだ19世紀であり、プルーストも例外ではない。
一方で、ボードレールは革新的に20世紀を先取りしていた(本当かよ)。
口ひげはフランス男性のシンボルのように言っていたモーパッサンは、
今のヒゲなし世界をいかに思うのか。
これぞまさしく「ひげよさらば」。
ところで最近になって、私は19世紀にヒゲを剃っていた稀有なるフランス作家
の二人目をついに発見したのだけれど、さてそれは誰でしょう。
答はまだ内緒。