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えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

やさしくキスをして

映画

Ae Fond Kiss, 2004
ケン・ローチ監督。
舞台はスコットランドグラスゴー
アイルランド出身の女性とパキスタン移民二世の男性の恋愛物語。
つまるところ、これは王道のラブストーリーで、
個人主義の価値観と、家族・共同体重視の社会との軋轢が、その恋愛に立ちはだかる障害。
誠実なリサーチを通して問題の在りどころは実にクリアに切実に描かれている。
それでも、問題が解決したかどうかよく分からないままに、
二人が互いの愛を確認して終わるという結末には、
それでいいのかケン・ローチ、という気がしないでもない。
お父さんはコミュニティーから疎外され、お姉さんは婚約が破談になり、
それでも二人は一緒に生きていくのよ、というのであっては、
恋愛至上主義に奉じる点で、思想的にハリウッド映画となんも変わらなくないですか。
自分の人生を自分で決断する二世の生き方を肯定したいという気持ちはよく分かるし、
そのことを問題にする気はないのだけれど、
映画の「終わらせ方」がストレートというか、安易というか、
恋愛映画なんだからいいでしょ、という話であればそれまでではあるけれど、
それだったら『ベッカムに恋して』のほうが、アジア系女性の社会的自立を前面に出してる分、
メッセージとして進んでるし明確だという気になる。
期待が高かった分、辛口になりました。そういうことはありますね。