えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

JSA

공동경비구역 JSA, 2000
読めもせぬハングル眺めて夜長かな、と。
パク・チャヌク監督。
朝鮮戦争を体験していない韓国の若者が2年2ヶ月兵役で国境警備にあたれば、
こういうこともあるかもしれない、という実感が、おそらくこの映画の
リアリティーを保障しているのでありましょう。
北朝鮮の兵士を顔の見える人間として描いているところに好感がもてるし、
真に迫るセットと演技に最後まで魅せられます。
「このフィルムに横たわっているホモソーシャル性と女性忌避は、今日の韓国映画の常数であると言える」崔盛旭、「朴賛旭」の項、『アジア映画』、四方田犬彦編、作品社、2003年、102頁
が目に留まったので引用。
常数かどうか私には分からないし、この作品は軍隊を扱っているので
そういうことにもなるだろう、と思うのだけれど、この観点からすると、
つまりは、中立国の女性捜査官の闖入が、男同士の友情の輪をぶち壊す
という物語の構造になっている、ということはまあ確かだなと
とりあえず思いました。