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えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

あわあわ

あわわわ、と言っているうちに日がどんどん過ぎる。
読み終えた電車本。
ディケンズ、『二都物語』上下、中野好夫訳、新潮文庫、1967年
主筋だけ取ると実にロマネスクでロマンチックだけれど、
フランス革命前、民衆の間で不満が高まっていくところと、
革命勃発し、激情が常軌を逸していく様も読みどころかもしれない。
中野好夫ディケンズには「社会史的な史眼」がないと悪口を書いているが、
そんな「ないものねだり」はするだけ無駄というものである。
革命は、抑圧され搾取された民衆の不満の爆発であり、それはまさしく復讐であって、
その怒りはとどまるところを知らずに昂進したがゆえに、
そこでは「個人」など問題にされず、その中に幾多の悲劇があった。
それは確かに素朴で単純な歴史観には違いないのだろうけれども、
素朴で単純ゆえの力強さというものもある。
ディケンズのよいところは、人物のプロポーションが等身大であるところで、
それがために大変に読みやすい。バルザックよりも(あ、言うてもうた)。
ディケンズ、『クリスマス・カロル』、村岡花子訳、新潮文庫、1952年(2010年108刷)
これは懐かしい読書であった。
というわけでいよいよ我が電車本は当然の如く『デイヴィッド・コパーフィールド』となるのであった。
『自由への道』でも読んだらどうなんだね、という良心の言葉に耳をふさいでこそ、
ああ読書は愉し、とか。


ここしばらくの間に観た映画のリスト。順序適当。
勝手にしやがれ
気狂いピエロ
十数年ぶりに再見して「あーそーかー」としみじみ思う。あーそーかー。
『昼顔』
他人の性的趣向というのは傍から見るとまことに滑稽で哀れである、ということでよかったか。
『ラ・ピラート』ジャック・ドワイヨン監督、1984年。
なんだか分からないけどとにかく激しい映画。でもなんだか分からへん。
みんな誰かの愛しい人アニエス・ジャウイ監督、2004年
ジャウイとバクリの脚本は実によく出来ているけど、彼らの映画を観ていると
フランス人とはなんと「面倒くさい」人たちであろうか、としみじみ思ってしまう。
二都物語』ラルフ・トーマス監督、1957年
これだけイギリス映画。マダム・ドファルジュ役の女性がめちゃ怖かった。
ゲームの規則
まさしくマリヴォーとミュッセの世界。
ここでは心に実体的なものなんてありはしないので、すべてはその場の成り行き任せである。
クリスチーヌが誰を一番愛しているかなど、本人にも分かりはしないのだ。たぶん。
以前から薄々感じてはいたものの、
自分はヌーヴェル・ヴァーグ以降のフランス映画にとことん向いていないのかもしれない、
という自覚は、なんだか切ない気もするのだけれども。
以上。