えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

フロベール・モーパッサン友の会17号

続いて届いた雑誌。
Bulletin Flaubert-Maupassant, no 17-2005.
2004年にあったコンフェランスをまとめたもので、やや出るのが遅れた模様。
ぱっと目についたのはルイ・フォレスチエ報告するところの「パラン氏」こと
Monsieur Parentの初出が発見された
という記事。1885年の Le Journal des Débats だそうで。
まだそういうことがあるんだなあという感慨と、デバにまで載せとったんかいな、という驚き。
ま、それだけのことではある。
冒頭の論文はノエル・ベナムーによるところの、
パッシーのブランシュ博士、後を受けたムリオ博士、ついでその遺族に残された
入院後のモーパッサンに関する種々の資料(最近再発見された)を、
実はかつての伝記作者ジョルジュ・ノルマンディーが目にしておりながら、
出所を秘してくれというムリオの意志があったために、いかに出所の分からない
ようにぼかしつつそれを用い、また同時に彼が公表しなかった事実は何なのか
ということを(長い)丁寧に調べたものである。労作なり。
とりあえずそれだけに目を通したところ。


最近のモーパッサン研究、もひとつこれぞ新しい、という画期的なものが出てこない
ような中、こういう地道な調査が目に留まりやすい、
のは、単に私の好みではあるのだろうけれど。