えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

次がヴィエレ=グリファン

ああ、もう2月が終わってしまう、と、毎年言っているような。 昨日マラルメ。『賽の一振り』もほぼ終わりへ。 最後の手前の頁。主幹文を終えて「後奏曲」とでも呼びたいところか。 たとえサイコロを振ったとしても偶然は廃棄されず、 「場所以外の何も起こら…

お次はヴァレット

おもむろに一息で読んだ本。 出口裕弘、『辰野隆 日仏の円形広場』、新潮社、1999年 半ばまではとても面白い。後半はやや「ふくらまし感」ありか。 というか、この本全体がそれ自体として、日本における仏文学に携わってきた人の思いの記録ということで、 こ…

笑わせてみる

「ゆる度」向上を目指して笑わしてみる。 そんなことばかりしてるわけではないのですけども。 『女の一生』だ、と一度は思ってみるものの、 その前に片づけないとだめなことがやはりたくさんあることを認めざるをえず、 これは困ったなあと。 1881年7月―9月…

ゆるキャラのつもり

時流に乗って(つうか乗り損ねて今更か) いわゆる「ゆるキャラ」で勝負すんぞ、と思いたつ。 これで「モーパッサンを巡って」も千客万来。 名前はくるしまぎれに「むっしゅー・ぎー」(仮称)。 断じて「ミスター・ガイ」ではありません。それはいやだろう…

レコー・ド・パリが読めるなんて

これまた一年ぶりに描きなおしのサミュエル・ベケット。 なぜベケットか(ただの条件反射なので、特に意味はない)。 なんとなくデュラスの『苦悩』と「待ち」つながりで、て、ただのこじつけです。 『ゴドーを待ちながら』の場合、客観的にはゴドーさんはま…

絵はまだないけど

とりあえず告知のみ(ただ今21日午前4時25分)。 モーパッサン 『一冊の書物を巡って』 10ヶ月ぶりの翻訳、10ヶ月ぶりの更新です。 嬉しくって泣いちゃいそうです。 「偽善」を語らせたらモーパッサンは一級品です。 ぜったい面白いので、ご一読いただけたら…

苦悩

デュラスのLa Douleur『苦悩』は作品集だけれど、最初の「苦悩」だけをとりあえず読む。 実際のところは、夫の帰還後に書かれたもののようなので、 回想の時点で多かれ少なかれ物語化が起こっているのは確かなのだろう。 待つとはいつでも辛いものだけれども…

デュラスの笑み

あがるようであがらない「うだつ」。 いずれにせよ、これからしばらく『女の一生』とお付き合い。 それから、マルグリット・デュラスがもう一枚出来上がる。 19世紀はみんな肖像写真なので、かしこまって(あるいはふんぞりかえって) どこか遠いところを眺…

うだつがあがる

今日は若干、うだつがあがる。 そんな日本語おまへんか。 ところが、うだつがあがると、ネタがない。 しょうがないので、毎度の辞書占い。ま、当たったためしはないけども。 当たっても困るし。 うんとこしょ。558頁のまん中。 Chacun est à chaque instant …

近代都市パリの誕生

北河大次郎、『近代都市パリの誕生 鉄道・メトロ時代の熱狂』、河出ブックス、2010年 主に前半が鉄道、後半がメトロのお話。 鉄道を施設するということは、単に引けばいいやないかというものではなく、 都市あるいは国土の機能と構造とは如何にあるべきか、…

上か下か

はい、じゃあそこのあなたにクイズです。 以下は松尾芭蕉の俳句の仏訳です。 元の句を当てましょう。 まだ寒いので冬の句にします。 Pétrifiée sous mon cheval – mon ombre glacée ! (Haiku. Anthologie du poème court japonais, traduit par Corinne Atla…

死者を起こせ

フレッド・ヴァルガス、『死者を起こせ』、藤田真利子訳、創元推理文庫、2002年(2008年再販) 先史時代専門のマティアス(マタイ)、中世のマルク(マルコ)、第一次大戦のリュシアン(ルカ)の 3人の歴史学者(いずれも35歳、定職に就けずに「クソ溜」には…

うだうだな日

今日は一日うだうだしてしまい、 どうにもならないので『天空の城ラピュタ』をフランス語吹替えで観る。 明日はがんばるべく、辞書占い。 おらよっ、と129頁右半ば。 Feme qui sa bouche abandone Le surplus molt de legier done. (Femme qui abandonne sa …

マラルメ論

原書はこちらで、 Jean-Paul Sartre, Mallarmé La lucidite et sa face d'ombre, Gallimard, coll. "Arcades", 1986. ま、本当に読んだのはこちらです。 ジャン=ポール・サルトル、『マラルメ論』、渡辺守章・平井啓之訳、ちくま学芸文庫、1999年(2010年3…

サルトルの迫力

これまで、最終保存はJPGにしていたのだけれども、 私の絵程度ならばPNGの方が圧縮率がはるかに良いということを学ぶ。 というわけでPNGのサルトル。ま、見た目は変わりませんけど。 俺の言う事を聞かんか、て感じですか。 部品数116の苦心作。 では辞書占い…

デュラスの予習

もうすぐマルグリット・デュラスのお芝居があるので、予習にお顔を拝見。 予習するとこ間違っとるがな。 と、一人突っ込みしてても虚しいだけなので、 Marguerite Duras, La Douleur, Folio, 1985 を読み始める。 終戦直後、収容所から夫が帰ってくるのを待…

関東支部論集19号

仏文学会の関東支部論集19号(2010年)をご恵贈いただいたので、興味のあるとこだけ読む。 その前に一言申し上げておきますが、 表紙に目次印刷して、1頁目から本文というのは、今の時代、貧乏ちいからやめたほうがいいです。 本としての体裁というものを、…

ゴーチエの顎ひげ

ついに読み終える。ばんざい。 ゴーチエも出来上がる。 もっとも、目下のところゴーチエについて語れることは特にないのだけれど、 高踏派の頭目の一人ということで。 俺がロマン主義だ、文句あるか、てな顔つきですな。 顎ひげにてこずりました。パーツ数は…

フロベールはすごい

レポートを読むか絵を描くかしかないとなると、だんだん「究極の選択」じみてくる。 今日は55本。都合146本。おお、終わりが見えてきた。 みなさん大層変換ミスが多いのが困りものですなあ。 (しかし「侵食をともにする」とかいうのは、本当にただの誤変換…

マラルメの気品

今日は45本読んで、計91本。おお半分。 これも一年前に描いたマラルメのリニューアル。 これをして気品があると捉えるか、単に偉そうやなと思うかは、見る人次第であります。 どうでもいいけど、おもむろに自分のサインを入れることを思いついてしまう。えへ…

君を想って海をゆく

Welcome, 2009 フィリップ・リオレ監督。 イラクからフランスまでやってきたクルド人の少年が、カレーの街で、 英仏海峡を泳いでわたるため、水泳の練習をしにプールに通うことにし、 そこで指導員をしている男に出会う。 男は奥さんと離婚するところで、で…

一年経ってランボー

今日は34本読んで、都合46本(のはず)。 レポート読みつつ絵を描く、というか絵を描きつつレポートを読むというかをしていると、 一年前とまるで同じではないか、としみじみ思い、 一年前に描いとったランボーなどをつい手直ししてみる。 絵だけは上手くな…

夜鳥

モーリス・ルヴェル、『夜鳥』、田中早苗訳、創元推理文庫、2003年 ようやく読みました。 そもそもモーリス・ラヴェルと間違えやすい上に、創元推理文庫の棚では「モーリス・ルブラン」の後ろにちょこんとあって、その紛らわしさたるや見逃すこと必至であっ…

モーリス・ルヴェル

まだ読めず。 とりあえず数を数えたら181本でした。厚さにして4センチ。 がんばるぞ。

太宰施門『バルザック以後』

ようやく、お教えいただいた 太宰施門、『バルザック以後』、山口書店、昭和18年 を読む。 つねづね辰野隆は日本における仏文のご本尊なので敬うべしと申し上げておるのだが、 太宰施門は西方分派のご本尊みたいな方なので、関西在住者はあだおろそかにはで…

西の本尊

とか言いながら、今日も一日逃避行(試験作成しつつ)。 バルザックを直してみるが、まだもひとつしっくりこない。 いかついにもほどがあろうというものだ。

拡散する欲望の対象

一日、試験の採点&成績つけ第一弾。 いよいよ、怒涛のレポート150本が待ち構える。ああ怖ろしい。 ところで、幅広くあれこれ眺めるのは視野が広がってよいことには違いあるまいが、 何事にも程度というものがあり、 このところ自分の欲望の対象が拡散しっ放…