えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

不十分な準備

マラルメ自身が「分からない」ことについて語っている言葉に、もう一度謙虚に耳を傾けてみよう。 とおもむろに思い立つ。 そこでお決まりのジュール・ユレの『文学の進歩についてのアンケート』。 以下拙訳。 ――私は信じるのですが、と彼は私に答えた。内容…

アフガン零年

Osama, 2003 セディク・バルマク監督。 NHKと(なぜか)アイルランドが出資して、「復興アフガニスタン第一作」と銘打った作品。 意地の悪い取り方なのを承知でいうと、 北部同盟による反タリバンのプロパガンダ映画のようなところがあって、 それが悪いこと…

自転車操業中

あちこち滞っておりまして恐縮であります。 土曜日、お芝居鑑賞。新しいものを作ることのむずかしさを あらためてしみじみと思う紅葉かな。 ちかごろの付け焼刃。 柴宜弘、『ユーゴスラヴィア現代史』、岩波新書、1996年(2009年14刷) 佐原徹哉、『ボスニア…

母たちの村

Moolaadé, 2004 ウスマン・センベーヌ監督・脚本・制作。 ブルキナファソとか何一つ知らないので、リアリティのありようがまるで掴めないし、 分からないことだらけであるのだけれども、 不思議にゆるやかな時間の流れる良い映画でありました。 (もっとも内…

分からないのは問題か

今日一番良かったことは、でっかい虹が見られたこと。 できることならあの足元まで歩いていきたかった。 二番目によかったことは、「のばら犬」どののコーラスがまた聞けたこと。 今日は控えめのようでした。 じっと見てたら、「あっちいけ」と怒られました…

ホテル・ルワンダ

Hotel Rwanda, 2004 テリー・ジョージ脚本・監督。 実話を元にしていながらも、 次から次にと降りかかる絶体絶命危機一髪の状況をくぐりぬけていく様が、 実にもうサスペンスに富んでいて、並のアクション映画よかよっぽど「面白」く、 はじめはその場しのぎ…

カルメン

さて、かくして、今となっては西欧白人の一方的おしつけイメージの代表となってしまったかの感のある メリメ、『カルメン』、杉捷夫訳、岩波文庫、1929年第1刷(2009年第89刷) をはらはら読んでいたら(それにしても80年ものの翻訳とは凄い)、本当の話、「…

野ばらに吠える

今日一番驚いたこと:今時の若者には「ジプシー/ロマ」とか聞いたことがない人が多い。 今日一番よかったこと:とある町役場では午後4時半にスピーカーから「野ばら」が流れる のだけど、それに合わせて「うおーん、うおーん」と吠えている犬がいたこと。 …