えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

父親

Le Père, 1883 同名題2作中、ジル・ブラース11月20日、1885年『昼夜物語』所収のほう。 フランソワ・テシエは毎日顔を合わせるうちに一人の娘に恋におちる。 初のデート、何もしないと誓いながら、一時の激情にかられて二人は結ばれる。 付き合うこと三か月…

名編集者エッツェルと巨匠たち

私市保彦『名編集者エッツェルと巨匠たち フランス文学秘史』新曜社、2007年 をむきになって二日で読んだ。 19世紀フランス文学研究者を自称するものは皆買って読むべき本である。 「高い」とか「自分には関係ない」とか、言い訳にもなりません。 と、買った…

読め、読め

「しゃべれ、しゃべれ、どうせそれしかできないんだろう」 というのがザジであるならば、 「読め、読め、どうせそれしかできないんだろ」 と自分に言い聞かせたいような、そうでもないような。ま、それがこのブログの 主旨のようなものではある。というわけで

HPは難しい

最初の頃は夜更かしばっかりで、いつも日付が変わってから 日付上前の日のことを記していたのだけれど、 最近はその日のことをその日付に記すようになった。 ま、個人的でどうでもいいことである。 ちなみに今、この文章を書いているのは午前2時過ぎ。 HPの…

愛の終わり

翻訳はこちらで読めます。なはは。 モーパッサン 『詩集』 ひとまず訳すのはそんなに難しくない。とっても「散文的」だというのを除けば。 とはいいながら、この「散文的」という形容詞に注意しよう。 詩が散文的であるとは一体どういうことだろう。そして散…

ひさしぶりの翻訳

静かな土曜日。ふと思い立ちて翻訳をしたり。 ブログをはじめてもうすぐ一か月。久し振りのHP更新。 こちらをがんばれがむこうが疎か、ではいけません。 しかし気が多いとなかなか大変です。 というわけで、こちらに解説めいたことを記してみる。

パンドラの匣

話が出て「ヴィヨンの妻」を読み、つづいて思わず読み直す。 太宰治「パンドラの匣」ちくま文庫全集8巻 恥ずかしながら、この作品が以前からとても好きなのである。 まったくもって実にナイーヴだ。けれどもそのナイーヴさに 厭味がなく、実になんともよく書…

三回目終了

三回目終了。授業というのは やるほうと聞くほうでは全然違う。しゃべりまくっていたら 時間はあっという間に過ぎた。みんなちゃんと分かってくれているだろうか。 ともあれ来週はお休み。あまり嬉しがってもいけませんが。 ところでアマゾンから早くも発送…

ヴェルレーヌとアレクサンドラン

雑誌Europe, no 936, avril 2007 はヴェルレーヌ特集号で、実はKさんも論文を 載せている。読み応えある論文がそろっている中で、特に面白かったのは、 Benoît de Cornulier, "La Pensée rythmique de Verlaine", p. 87-96. の中の話題の一つ。 De la douceu…

宝石

Les Bijoux, 1883 さあなまけないでモーパッサンを読もう。 ジル・ブラース、3月27日。もちろんモーフリニューズ名。『月光』に収録。 「首飾り」と対になる作品で、こちらも結構有名な作品。 ランタン氏はある日若い娘に出会うが、貧しいけれども尊敬に値し…

まだ落ち着かない木曜日

木曜日は落ち着かない。慣れるのは少しずつ。 今日フランスのアマゾンに注文したもの。 Chez Maupassant という、モーパッサンの短編を原作にした テレビドラマ、のDVD。好評につき放送本数を増やしたのだとか。 モーパッサン愛好家からは原作に忠実ではない…

フロベール・モーパッサン友の会17号

続いて届いた雑誌。 Bulletin Flaubert-Maupassant, no 17-2005. 2004年にあったコンフェランスをまとめたもので、やや出るのが遅れた模様。 ぱっと目についたのはルイ・フォレスチエ報告するところの「パラン氏」こと Monsieur Parentの初出が発見された と…

ほぼ復帰

遅まきながらに学校へ顔を出す。雨のやむのを待って ラーメンを食して帰宅。満腹なり。

気球「オルラ」号

本日届いた本。 Guy de Maupassant et les voyages dans la nacelle du Horla,textes et documents inédits réunis, annotés et présentés par Jean-Marc Montaigne, Rouen, ASI Editions, 2007. 普通の本屋ではひっかからず、ルアンの本屋さんに注文したも…

回復中

まだ回復中。

如是我聞

ふと目にとまって読んだらびっくりした。 太宰治「如是我聞」、ちくま文庫全集10巻。 ここでL君という「外国文学者」がこっぴどくやっつけられているのは 忘れていた。志賀直哉のことは覚えていたけども。 太宰の文章を久し振りに読むと、免疫がなくて面食ら…

回復期

鼻の次は咳で、ここまで来ると風邪も終末は近い。必ず一通り通過しないと 治らないのが風邪の面倒なところ。早送りなし。一時停止、というか停滞はしばしば。 巻き戻しはごめん願いたい。

マンガの日

京都国際マンガミュージアムを初めて訪れる。小学校の建物を うまく使っていて感心。雨で芝生には出れなかったけれど、 それでもたくさんの子供と大人がマンガを読んでいた。

フランス・ルネサンスの人々(2)

やはり最後まで読まねばいけないもので、セバスチヤン・カステリヨンも含めた 3人(カルヴァン、ロヨラ)を合わせるところに重要な意義があった。 つまりは元の『三つの道』には、解説の大江健三郎いうところの 「さしせまったメッセージが流露している」の…

マラルメの日

月に一度のマラルメの日。いつもながらに難しい。 頭を使って熱は出る出る、でもビールは旨い。

フランス・ルネサンスの人々

まだ読了じゃないけれど。 渡辺一夫『フランス・ルネサンスの人々』岩波文庫1995年(5刷) ルネサンスを知るにはまずこれを読みたまえ、というような見事な書物だと 素直に思う。渡辺一夫はこんなにえらい先生だったとは知らなかったこと、多少反省。 つまる…

2回目終了

本日2回目終了。無事かどうかはよく分からない。 終わって飲むビールはうまかったです。

身がわり

Le Remplaçant, 1883 風邪心地なのでなるべく気楽なものをと。 1月2日、ジル・ブラース、『マドモワゼル・フィフィ』2版所収。 お正月からこれですか、という感じの艶笑譚。お正月だから、かもしれないけれど。 タイトルは若干軍隊用語的に「交代要員」に近…

たくさん眠る

眠れば治るとたくさん眠ってみるけれど、今一つ調子が出ない。 日だけは早く過ぎるのであった。

春水とモーパッサン

永井荷風について読んでいると、よくお目にかかるのが 「春水とモーパッサンの合の子」という言葉である。荷風が自身の文学を指して 言ったとのことで、出所は佐藤春夫らしいが、必ず皆さん出典を明記でない。 ので佐藤春夫全集をぱらぱら眺めてみた次第。以…

風邪気味

喉が痛くて寒気がする。典型的な風邪の初期症状。 季節の変わり目はむずかしいね。

青柳瑞穂にもの申す

読んでない代わりに、ふと目に入ったので。 『モーパッサン短編集』青柳瑞穂訳、新潮文庫。 今見ているのは1巻で、1997年37刷のものと、ちと古いけれども 多分現在も変わっていないと思うので、一言申し上げたい。問題は 「あとがき」の冒頭部分であって、い…

絵画について

「文学」はやや苦しいか。いやそうでもあるまい。 ディドロ『絵画について』佐々木健一訳、岩波文庫(青帯)2005年。 こういうテクストを訳すことには意味があって、 こういうテクストを訳す人の存在も大切であるということ を信じること。その信念を貫くこ…

庭掃除

庭掃除を若干仰せつかって労働する。切られたビワの木はちとかわいそうではあった。 ところで、みだらに?kan.nô などという語彙を使用すると、世間に要らぬ誤解を与える ものであることよ、と小さな学習をする。ローマ字は修正ヘボン式。ヘボンさんがヘップ…

酔美人

これまた渋いカテゴリーを立ててしまった。 ここしばらく、荷風におけるモーパッサンについて考察中なので、以後つれづれに 記すことあれば、記していきたいと思う次第。 「酔美人」は『あめりか物語』所収の短編。初出は明治38(1905)年6月の「太陽」(11…