えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

もう一人のモーパツサン

Sandrine de Montmort, Un autre Maupassant. Dictionnaire, suivi de "Le Canular de Le Corbeau" par Jacques Bienvenu et "Souvenirs de Mamdame X", Scali, 2007. サンドリーヌ・ド・モンモールという人は小説家だそうだ。 この「辞典 もう一人のモーパ…

お休み前に

切れちゃう前に記しておこう。

妄談つづき

共和制下になって右の人がさらに右に追いやられた と昨日書いてから、そのことについて勝手に考えつづける。 その帰結は極端な保守反動に他なるまい。 ブーランジスムとかドリュモンの登場とかは、そういう意味で 共和制の生んだ鬼子、ということがあるいは…

散文的アカデミー談義

さて、なんとも恐ろしいことには、 5月1日から2週間、我が家はネット不通になってしまうのである。 前もってお知らせしておきますので、 音信不通でも怒らないでね。 いやしかし、依存度高い今日、私は耐えていけるのだろうか。 それはそうと、 叩けば増える…

アカデミーつづき

改めてKさんに幾つか教えていただいた内の一つは カチュール・マンデスはユダヤ人だった、 ということで(ホモセクシュアルの疑惑もあったらしい) これもノラが言うようにタブーだったわけであるから、 アカデミーには入れないという不文律があったに 違い…

アカデミーと詩人

さて成程たしかにメリメもノディエも生き残っている と言えよう。しかし シャルル・ノディエ(1780-1844)(入会1833年)は、 辞典も出してる文法学者でもあったということが、 プロスペル・メリメ(1803-1870)の場合(1844年、ノディエの後を継ぐ)、 考古学者的…

いろいろあって何が何だか

Kさんにはいつもながら、素早くも興味深いレスポンスを ありがとうございます。 http://www.ksm.fr/miura/int.html の三浦信孝のピエール・ノラへのインタビュー 私もたいへん面白く読みました。全体を通して 実に密度の高い、見事なインタビューだと思いま…

アカデミーについて知りたい

おもむろに気になったのでメモ。 権威と束縛を嫌ったモーパッサンが馬鹿にしたものとして 勲章(レジオン・ドヌール) アカデミー・フランセーズ 『両世界評論』 の三つがある、というのが昔から語られるのだけれど、 実際のところモーパッサンは『両世界評…

2回目

さあいよいよ始まりです。まずは挨拶、ボンジュール!

原抱一庵と「女探偵」

さてその原抱一庵(1866-1904)に、 『泰西奇文』、知新館、明治36(1903)年 という翻訳書があり、トウェイン、ストロング、ドイル、エッヂワース の次に「モーパツサン」の名前があり、三作品訳されている。 そのタイトルが凄い。 「大頓挫」 「女探偵」 「再…

女探偵現る

ルーアン本拠の「フロベール、モーパッサン友の会」の サイトが出来ていることを知る。 Les Amis de Flaubert et de Maupassant 両作家に関心のある方にはご入会をお勧めいたします。 て、そういえば今年分の年会費払ってないじゃないか。 ところで、 原抱一…

不調中

読み出したら止まらないと知っていながら、 少しだけ、と読み出したら 予想どうり止まらずに読了。 森絵都、『DIVE!!』、上下巻、角川文庫、2008年(第8版) これはほんまに面白い。 逃避続行で Pigloo, "Papa Pinguin" Ilona Mitrecey, "Un monde parfait" …

1回目

今年も一回目。みんな一年がんばろうね。 君たちがフランスの首都がどこか言えなくても先生はめげません。 でも諸君にとっては、フランスがそれくらいに縁遠いところでしかない とするならば、そのことは残念なことだと思うのです。

編集者 国木田独歩の時代

黒岩比佐子、『編集者 国木田独歩の時代』、角川選書、2007年 独歩は面白い、と思い始めていたところにこの本は嬉しく、 予想以上に面白すぎる。 今日、自然主義作家としてのみ有名な国木田独歩は、 しかし生前とにかく本が売れなかった。一方で後年の彼は …

授業の準備

授業の準備をしつつ、 エメ・セゼールが亡くなったというニュースを読んだり。

ヴェルレーヌ『歌詞のない恋歌』論文

倉方健作、「『歌詞のない恋歌』における伝記的要素 −非人称的詩法とヴェルレーヌの自己表象―」、『日本フランス語フランス文学会 関東支部論集』、第16号、2007年、p. 189-202. Romances sans paroles (1874)においてヴェルレーヌが 模索していた新しい詩法…

ベラミ賞とは何だ

10年ばかし前に Prix Maupassant というのができて、優れた短編に 賞を与えるものだったけれど、今も続いているのかどうか寡聞にして不明。 いずれにせよもう一つインパクトに欠けたのは悲しいけれど、 そもそも発表の場が限られている今のフランスで、短編…

コルシカというトポス

コルシカはモーパッサンと縁が深い。『女の一生』のジャンヌの新婚旅行先は コルシカを経由してイタリアを巡るのだけれど、メインはコルシカであり、 イタリアは完全に省略されてしまう。 それもその筈、1880年9月に彼はコルシカに 旅行し、「コロンバの故郷…

今日はコルシカ

今日はコルシカについてお勉強していたら、 コルシカ出身アリゼさん Alizée を発見し、 ミレーヌ・ファルメールさん Mylène Farmer を経て 最後はジュリエット・グレコに行き着き、 いつのまにかコルシカはどこかへ行ってしまっていた。 とにかく、コルシカ…

ラ・ギエット館(まだ)売出し中!

La Guillette – Maison de Maupassant à Etretat もうフランス語ができなくてもなんでもいいからぜひご覧あれ。 ノルマンディーはエトルタ(!)にあるモーパッサンの別荘 その名もLa Guillette (ギイちゃんのお家)が売りに出されたのは 昨年のことで、誰…

これはいったい何事か

放っておいたナラトロジー関係の論文を集中的に読む。 ひさしぶりに extradiégétique とか出てくると 若干、焦る。 ところでこれもベナムー先生に教えていただいた 驚きのニュース。

モーパッサン、タヒチ、ロチ

ところでモーパッサンの全作品をコーパスに"Tahiti"で検索をかけるとどう出るか。 無いだろうと思っていたら、意外や一件だけヒットする。 「パリからルーアンへ」、『ジル・ブラース』、1883年6月19日、モーフリニューズ署名 で、クロニックに分類されてい…

塩キャラメル

タヒチの次はブルターニュについて調べ物をしていたら、 名物塩キャラメルが今はやっている、という情報を仕入れたので 早速「ブルターニュ産の塩100%使用」というのを買って食してみる。 なるほど、なるほど。 でこれは、 le caramel au beurre salé の名…

ひさしぶりに翻訳

2ヶ月ぶりに翻訳。 モーパッサン 『一年前の思い出 ギュスターヴ・フロベールの家でのある日の午後』 デッサンがドーデなのは「余ってた」からです勿論。 タイトルが長いのはささやかなSEO(になるのか)。 時評文書き始めのモーパッサンは、まだ時事ネタを…

タヒチに行きたい

所用があってタヒチについてあれこれネットで調べ物をする。 タヒチはフランスから17100kmのところにあって、 5諸島に全部で118の島がある。 青い海と白い砂浜と青い空があって、 ラグーンで熱帯魚と戯れられる。 椰子の木より高い建物は建ててはいけない。 …

再出発

いろいろあった一週間が過ぎて、 四月になり、この日記をつけはじめて一年になった。 再出発をしよう。 ということでデザインを変更してみる。 rienさん、どうもありがとうございます。 この一年の間に当ブログをご覧頂いた、 その他のすべての皆さんにも、…