えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

異邦の香り

野崎歓、『異邦の香り―ネルヴァル『東方紀行』論』、講談社、2010年 事情があって二日で急ぎ読む。 『東方紀行』を読み進めながら、面白いところを拾い上げていく手つきはお手の物で、 ところどころ、アルトーやジュネといった20世紀作家と繋げるところもま…

テレヴィ購入

ついに我が家も地デジとやらになるらしい。ふむ。 水曜日、『借りぐらしのアリエッティ』鑑賞。 借りぐらしとはブリコラージュだ、というのは色んな人が言うているかしら。 「なにかに使えそうだわ。」と、アリエッティは思いました。「考えてみなくちゃ……な…

カンダハール

Safar Qandhar, 2001 モフセン・マフマルバフ監督。 今にしてみれば、戦争直前だったということになる、アフガニスタンに残してきた妹に、 亡命していた姉が単身会いに行こうとするお話であるが、 まあ、物語が普通に完結したりするわけではない。 女性一人…

プリズム的

土曜日マラルメ。 『賽の一擲は決して偶然を破棄しないだろう』は、実質的にはおよそ3カ月で書きあげられ、 1897年5月号の『コスモポリス』に掲載されるが、これは不完全な形だった。 出版者ヴォラールがルドンの挿絵入りの豪華版の出版をもちかけ、 マラル…

有罪無罪

今日もわりかしよく働きました。 先日、ご先祖のお家で発掘してきた本、三冊。 1 『現代フランス映画』、飯島正監修、河出新書写真篇、1956年 フランス映画がよく観られていた時代の記録となる一品。 2 モーパッサン、『女の一生』、岡田眞吉譯、白水社、…

ベッカムに恋して

Bend it like Beckham, 2002 グリンダ・チャーダ監督。 イギリスに暮らすインド系2世のサッカー好きの女の子が、 親に内緒でサッカーチームに入部するお話。 確かに異文化摩擦という面はあるにせよ、ここで問題になっているのは むしろ世代間の価値観の相違…

駄作はあるか

帰宅して早々、洗濯して色移りをやらかしてしまい、 白シャツが赤シャツに化けてえらくげんなりしたものの、 昨日と今日は正しく(起きて)仕事ができた。 ようやく1880年秋の4編のコルシカ時評まで来る。 id:etretat1850:20080412 ながいながい2年4カ月。 …

マラルメの瞳の色

夏休みになって、またしても絵を描いてしまいました。 マラルメの肖像のリニューアル。 ステファヌの瞳の色を、誰か教えてください。 てなことはともかくとして、 竜之介さん、またまたどうもコメントありがとうございました。 なるほど、猫もいろいろがんば…

短編「刹那」

岸田國士を仕舞ってたら、かわりに出てきた本があったので、 そうか、この話はしていなかったなと思う。 おそらく、日本で一番読まれたモーパッサン偽作の話。 『モオパッサン選集』、平野威馬雄訳、新潮文庫、1934年初版(1939年25版) には19編の短編が収…

雨の夜

気合いを入れるべく、猫を交替。 しかし冷静に考えてみると、「がんばる猫」とはオクシモロンではあるまいか。 がんばってる猫を見たことありますか?

岸田國士「二人の友」

『モオパッサン 二人の友』、岸田國士訳註、白水社、仏蘭西文学譯注叢書第一篇、1925(大正14)年 岸田國士がパリ留学中に日本に原稿を送ったが紛失、 関東大震災の後、白水社で発見され、出版となった、 と、「巻頭言」に内藤濯が記している。 ついでながら…

大雨にあう

大雨にうたれる。 本業はなかなか進まないので困ったものだが、 せっかくなので、とっちらかってどこか行ってしまう前に (実はすでにいきかけた)本の話をしておこう。

小林天眠と天佑社

さて天佑社に関して、Kさんにご教示いただいた本。 真銅正弘 他編、『小林天眠と関西文壇の形成』、和泉書院、2003年 小林天眠(本名政治、1877-1956)は兵庫出身の実業家。 明治30年から33年『よしあし草』、改題して翌年まで『関西文学』に関わり、自身も…

昼夜転倒

土曜日、Ego-wrappin'。 以降、本業。 1880年から81年前半にかけてのモーパッサンの時評文を読み返す。 ほんの数カ月のうちに、クロニックのスタイルをしっかり身につけ、 ユーモアと皮肉あふれる時評文が書けるようになるのは、 さすがと言うよりないなあと…

Mathieson『女の一生』

A Woman's Life, by Guy de Maupassant. Translated from the Latest French Edition, London : Mathieson & CO., LTD., n. d. 「食後叢書」ことAfter-Dinner Series を出していた Mathieson (これはマシエソンと読むのでよろしいのですか) からは Bel-Ami…

採点終了

天佑社については宿題として、 お次は名古屋の本屋さんから届いたもの。 これが凄い。

写実主義の極致

2日会議。夜、鶏づくし。 昨日から採点期間に入るが、嫌いな仕事なので逃避多し。 ふらふらと訪れた古本屋さんのサイトで、 『モウパッサン全集 第二篇 生の誘惑 他十五篇』、前田晁譯、天佑社、大正9年10月17日発行(同年12月18日5版) 同、『第三篇 戀の力…