えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

完訳!

ついに『エラクリウス』全30章、完訳! モーパッサン 『エラクリウス・グロス博士』(3) で宣伝。いやー、我ながらがんばった。って自画自賛してもしょうがないけど。 いきなり長い28章と、怒涛の展開の29章、そしてなんとも皮肉な結末の最終章。 かくしてエ…

ピュタゴラスは謎のひと

11回目終了。みんな数字百まで覚えたかね。 一時的に雨降るも、蒸し暑いことおびただし。 夜はホッケでビール。美味。 さて、何の予備知識もなく、 ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝』(下)加来彰俊訳、岩波文庫、1997年(6刷) の第8巻第…

モーパッサン、フロベール、オルラ

『エラクリウス』の元ネタは他にもあるかもしれない、 となれば、欠かせない書があることを忘れてはいけない。 ということで久し振りに再読。 Jacques BIENVENU, Maupassant, Flaubert et le Horla, Muntaner, 1991. この本はモーパッサンと『オルラ』に関す…

日本語はむずかしいということ

を深く学んだ一日。

エラクリウスがらみの雑想

さて、オウィディウスによればピュタゴラスはなるほど「死んだら生まれ変わる」 と言っている。ただここでは「罪」と「贖罪」の概念は提示されていない。 プラトン語る壮大な霊魂不滅説は、その点で確かにより合致するものがあるが、 しかし天国とか地獄とか…

分かって分からない

『エラクリウス』25-27章翻訳。あと3章まできたけれど 28・29の2章は他の章より断然長いのである。がんばろう。ところで、 プラトン『国家』(下)藤沢令夫訳、岩波文庫ワイド版、2002年 はなんとも読みやすい見事な訳文だと思う。 昨日の続きで、第10巻の最…

武蔵野

話変わって。 十代の頃に『破戒』を読んでどよーんとなって以来、 自然主義なんて御免だぜ、と思ったか思わなかったか、 とにかく何にも読まないままに来た。 しかし因果は巡る風車、かどうかもよく分からないけど、 吉田精一を読んで、独歩は面白いかも、と…

りんねとはなんぞや

寝る前は独歩で、起きたらソフィ・カルで、歩きながらビートルズを聴き、 その後はディドロで、帰りはプラトンという一日。 まるで統一というものがないのである。 夜はラーメンこってりで、満足でした。 ところで『エラクリウス』のピタゴラスの輪廻転生と…

めでたい

出版記念祝賀会である。こいつはめでたい。 満腹でごんす。ばんざい。

ジュールおじ

Mon oncle Jules, 1883 「ゴーロワ」、8月7日、「ヴォルール」16日に再録。1884年『ミス・ハリエット』収録。 「ラ・ヴィ・ポピュレール」1885年1月4日、「アナール・ポリティック・エ・リテレール」1888年2月12日 「プチ・パリジャン」別冊、1890年3月11日…

雨降りの日曜日

は悪くない。外出しない日はだけど。昨日とうって変って寒いぐらい。 今日も続けて4章訳す。残りあと6章。 いつしかお話はマニュスクリの著者は誰であるか?という作者探しが 問題となっていく。訳してようやく分かったことがあって(遅い)、 22・23章で問…

畜犬談

モーパッサンが猫なら、太宰は犬、というわけだかなんだか なんしかめちゃくちゃ面白い。笑いが止まりません。 太宰治「畜犬談」『太宰治全集』3巻、ちくま文庫、2001年、引き続き。 私は、犬については自信がある。いつの日か、必ず喰いつかれるであろうと…

訳せ訳せ

あんまり日の当たらないわが部屋にいてもなんだか熱くなってきた。 今日も『エラクリウス』四章翻訳。こうして徐々にシフトして行こうかなと。 18章は「自体幻視」を描いたものとして、その筋では有名な箇所となってる。 『オルラ』の前兆すでにここにあり、…

猫について

Sur les chats, 1886 しかし本題はこちら。 ジル・ブラース、2月9日、『ロックの娘』所収。 1888年7月12日、「ラ・ヴィ・ポピュレール」(「民衆生活紙」?)再録。 「アンチーブの岬にて」という添え書き(これは本当)があり、回想録風の内容といい、 明ら…

女の決闘

話が出たので「走れメロス」を読む。これはほんとに良い小説。 それからぱらぱら読み耽ったのが「女の決闘」『太宰治全集』3、ちくま文庫、2001年。 太宰という人はつくづくうまいなあと感心。 19世紀ドイツの無名作家の作品(鴎外訳)を土台に、人物の変転…

雨降りの学校

おお、はやいものでもう10回目。今日は21から99までの数字。

「つゆのあとさき」を読む

永井荷風『つゆのあとさき』岩波文庫、2005年(23刷)。 初版は1931(昭和6年)11月、中央公論社。12月で荷風は52歳。 書いたのが梅雨時だから、という気の抜け具合は何なのかと思うが、 結末もなんだか拍子抜けである。人物をからみ合わせて話を面白くもっ…

ほげほげ つづき

開き直って読書。 永井荷風『おかめ笹』岩波文庫、1987年。 そいでもって

ほげほげ

こりゃ、風邪でごんす。弱った。 日本語の論文ってどうやって書くんだろう、 と今さら思って参考図書を開く。 小倉考誠・宮下志郎編『ゾラの可能性 表象・科学・身体』藤原書店、2005年。 無骨なタイトル、色気のない表紙はいかがなものか、と思わないでもな…

がっこうの日

引き続いてバルトとディドロ。細かいところで躓く。 ロースとんかつ定食で、帰宅時は 『ユリイカ』1997年3月号の荷風特集号 もっとも、すぐに熟睡。あ、面白くないからではありませぬ。 なかで面白かったのは 中村良衛「奇人伝説 戦後マスコミの伝えた荷風像…

Le Port, 1889 3月15日、エコー・ド・パリ、『左手』所収。 7月4日「ラ・ヴィ・ポピュレール」、18日「ランテルヌ」別冊 1892年3月13日、「ジル・ブラース・イリュストレ」に再録。 ここまで来たら、ここまで行ってしまう方がいい。 「隠者」と「流れながれ…

翻訳つづき

今日はつづけて13-16章を訳してみる。やればできるじゃん。 大好きなウズラが食べられなくなるあたりから、暗さがどんどん増してゆく。 モーパッサンが最初に長い小説に試みた結果がこの『エラクリウス』 なのだけれど、一読、これがモーパッサンかと思うこ…

流れながれて

L'Odyssée d'une fille, 1883 ジル・ブラース、9月25日、モーフリニューズ名。1888年『ユッソン夫人の推薦者』収録。 「ある少女の遍歴」といったところが原題の意。邦題の良し悪しはむずかしいところ。 (ここに現代のオデュッセウスあり、というコノテーシ…

のど痛い

昨晩興奮しすぎのせいか、起きたら喉いたく不調気味。 ほそぼそ翻訳などして、2章だけ追加する。 モーパッサン 『エラクリウス・グロス博士』(2) ちなみに全30章。まだまだ長いぞ。 「森の人」ことオラウータンの登場によって、 「哲学的真実の探求」という…

先生としてのマラルメ

月に一度のマラルメの日。 帰宅時から、 歌野昌午『葉桜の季節に君を想うということ』文春文庫、2007年。 午前三時読了。 うーん、まいったー。やられたよー。ものの見事に。 むかし筒井康隆にも同じように「やられた」ことを思い出しました。 閑話休題。 「…

打率の計算

そこで、ふと思い至って「打率」の計算をしてみる。 4月は30日中13短編。打率0.433。これはそこそこ立派な数字。 5月は31日中、なんと4編(ほんまかいな)。打率0.129である。 6月は15日までで3編。2割だな。 うーむ。思ったより(かなり)低い。これでは一…

一日たって

うーん年とったな。 と思うわけもないまま、9回目終了。本日はトーン低めであったか。 ま、rの発音がむずかしいのは当然として、sœurとかacteurの「うー」の音が むずいんだね。なるほど。アクターじゃありませんよ、と繰り返す。 帰宅して居眠りして復活し…

誕生日

今日は誕生日。 今日までどうやら生きてこられたことに感謝。 夜はパスタで乾杯。お店の人に「誕生日なんです」と告げると、 店員さん四人でど派手な歌を歌っていただき、 ドリンク一杯サービスにデザートつき、 おまけにポラロイドで写真まで撮ってもらいま…

引用ついか

どうしてももう入んねえっぽいのでここに挙げさせていただく。 『國文学 解釈と鑑賞』平成14(2002)年12月号に 塚本康彦、網野義紘の対談「荷風文学の軌跡」が掲載されている。 網野氏の発言に、 私はモーパッサンこそもっとも荷風に影響を与えたフランス作…

足して削って

一日、推敲。 とりあえず論旨を一本通すことに専念するも、果たしてどうか。 「書かなきゃ話にならない」ながら、一度書いてしまうと 論が「固定」してしまい、抜本的な改革には根性がいる、ということがある。 ちなみに、今のところ、章立ては以下のとおり…