えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ご帰還

めでたく我がフリッツが帰ってくる。 ハードディスクも無事であった。 いやさめでたい。 もう二度と君の上にコーヒーカップを置かないことを 私は誓うよ。 夜は韓国料理で祝杯。

セビーリャの理髪師

ボーマルシェ、『セビーリャの理髪師』、鈴木康司 訳、岩波文庫、2008年 はじめてちゃんと読む。 喜劇としては大変によく出来た作品で、コメディー・フランセーズでやれば 今でも笑いの絶えない芝居に十分仕上がると思う。駆け引きと勘違いは マリヴォー的と…

本業とか

さあ掻き入れ時でっせ。という気持ち。

本が崩れる

草森紳一、『随筆 本が崩れる』、文春新書、2006年(2刷) これは凄くて、ほんとに本が音を立てて崩れるお話なのである。 私の部屋も本が崩れるが、しょせん三十センチぐらいなので、 可愛らしいものだ。部屋の写真が掲載されていて、それを見ると ほんとに…

手紙

手紙を出したりもらったり。

ポニョ

お仕事してから、夜はラーメン食べて、 『崖の上のポニョ』を観る。 至福の時間でした。 いろいろ考えてはみたものの、つまるところはこの映画、 (もう五歳でない以上は、仕方ないのでせめて) 五歳の少年の時に帰ったつもりで観るのがよいと思う。 めんど…

羅生門

マラルメの日。むずかしいものはむずかしいけど、 パスカル・デュランの言うところでは、マラルメの詩は 決して二重底の難解な「秘法的」なものではない、のである。 そんなもんですかねえ。 夜は和歌山の地酒、羅生門をしこたま飲む。

田園

Aux champs, 1882 「ゴーロワ」、10月31日。1883年『山鴫物語』所収。 1883年10月11日「ヴォルール」、「ラ・ヴィ・ポピュレール」1884年1月10日。 1886年『短編集』Contes choisis 収録。 1891年3月5日「ラントランシジャン・イリュストレ」、 同年6月20日…

光陰矢の如し

もひとつ調子があがってこない。 今日は散髪へ。

偽作の出所(4)メズロワ(2)補遺

とはいえ嬉しいものは嬉しい。 René Maizeroy, La Fête, Ollendorff, 1893 (2e édition) ネット上に掲載されているこの作品集の短編の内、少なくとも4編が モーパッサン偽作の正体であることは、既に確認済みなのであり、 ようやくその全貌を明らかにするこ…

とりあえず報告

ないかなあないかなあと探していたら、 シャピートルで発見する。しかし知っている 人は知ってるように、シャピートルは送料が高い。 本代より送料が高いと、すごく悔しい気がするのね。

友人ジョゼフ

L'Ami Joseph, 1883 「ゴーロワ」紙、6月3日。1899年『ミロンじいさん』所収。 結婚してノルマンディーは トゥルブヴィル Tourbeville の城館に住む ド・メルール氏 M. de Méroulは幼友達の ジョゼフ・ムラドゥール Joseph Mouradour とパリで再会する。 ジ…

朝専門?

私の部屋の前方に木があって、 そこで毎夏セミが鳴くのであるが、 これがまたえらいこと早起きなのである。 だいたい5時半頃にはお目覚めのようで、 えらいことやかましいのね。 よう分からないながら、8時頃にはもうおしまいらしく、 いやはや、君達は朝専…

ユッソン夫人ご推薦の受賞者

Le Rosier de Mme Husson, 1887 「ヌーヴェル・ルヴュ」、6月15日 1888年3月にカンタン書店から独立した単行本、Habert Dysの挿絵入りで刊行。 10月に同じカンタンの同名の短編集に収録。 マニュスクリ一編存在。 語り手 Raoul Aubertin はノルマンディーのG…

あらためて

France 2 企画のモーパッサン、テレビ作品集の Chez Maupassant は第一集が好評だったらしく この度(てもう結構経つか)第2集が放映され、 DVDにもなった。 せっかくなのでこれを機に、復活したい。 さあ続くかな。

冬の夜ひとりの旅人が

イタロ・カルヴィーノ、『冬の夜ひとりの旅人が』脇功 訳、ちくま文庫、1995年 ご縁あって文庫本で再読。 この小説の書き出しは抜群にうまくてぐいぐい読まされてしまいながら、 小説を読むとはどういうことなのか、書くとはどういうことなのかを巡る、 「読…

ダンスタン版の元は

あちこちに書いて散逸して訳分からないけど、 要するに1896年頃、ロンドンで出た「食後叢書」こと After-Dinner Series 12巻には66編からの偽作がまぎれて おり、どういうわけだか、1903年にアメリカで出た W. Dunne なる人物編纂の『モーパッサン全集』17巻…

初心忘るべからず

ふと思い立ち、少しだけ検証。

いつもながら感謝

なんだか教えてもらってばかりで 実にありがたいことです。 本日、Kさんに教えてもらったこと。 Le Livre なるビブリオ雑誌の 1880年によると、Revue alsacienne なる雑誌の5月号に、 Auguste Dietrich による "La Vénus de Braniza" の翻訳が載っている と…

「あぶら饅頭」序

それはそうと先日さらりと書き流しましたが、 (たぶん今はなき)太虚堂書房から出た 丸山熊雄訳『モーパッサン選集』第4巻とは、 まさしくあのモーパッサン翻訳史上唯一、 "Boule de suif" を「あぶら饅頭」と訳したブツである。 せっかくなので我等がご本…

見積もり

早くも見積もりが届く。 ものの見事にマザーボードにまで浸水しており、 キーボードとあわせて交換の仕儀に至る もののハードディスクはそのまま帰ってくるらしい けど本当にデータは大丈夫なんでしょうか。 というわけでお見積もり金額は予想のつく人にはつ…

はずれ

久しぶりの人に会い、 鶏と牛肉でビールをしこたま飲む。 ところで、まったくありがたいことに、 rienさんが古書店に問い合わせてくださって、 マゾッホ『ユダヤ・コント集』1888年の中身が分かる。 労を取っていただきましてありがとうございました。しかし…

もしかしてマゾッホ?

Davide Biale, "Masochism and Philosemitism : The Strange Case of Leopold von Sacher-Masoch", Journal of Contemporary History, vol. 17, no 2, april 1982, p. 305-323. という論文の313ページに、 "Die Venus von Braniza" という作品の名が挙がって…

天国と地獄

浮かれたのがいけなかったのか何なのか (でもスキャンした表紙を再掲載。) ノートパソコンにコーヒーぶっかけるという 愚か極まりないことをしでかしてしまい、 思いっきり、電源が入らなくなる。そういうわけで、 我がフリッツはただ今、修理屋さん行きな…

『アンジェリュス』17号

マルセイユの「モーパッサン友の会」の雑誌、 L'Angélus, bulletin de l'association des amis de Guy de Maupassant, no 17, décembre 2007 - janvier 2008. 最初にビヤンヴニュ先生によるご紹介があって、 その後4頁から19頁までが "Maupassant au Japon" …

わはは

写真は小さくてよく分かりませんが、 本日、届きました。

『詩集』という題

ところで、パスカル・デュランのフォリオテック マラルメ『ポエジー』を読んでいたら48ページに こんなことが書いてある。 Poésies という題の付け方は ジュネット言うところのテマティックならぬレマティック rhématique なもので、物としてのテクストその…

干上がりそう

日中、坂をのぼっていたら干上がりそうになる。 夜は博多ラーメン、もちろんビールつき。

食後叢書の仏語原本

モーパッサンの英訳短編集、 「食後叢書」こと The After Dinner Series が元にした フランス語原書はなんだろうか。 それを突き止めるには、そもそも「食後叢書」はいつ出たのかが まず問題だ。 大英図書館のカタログには1896年発行と書かれていて 田山花袋…

流れのままに

少しばかり英訳について考えてみる。