えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

本業!

ひさしぶり(になってしまった)の本業に勤しんでへろへろに。 写真は、これがなければ話にならないところの大変お世話になりまくりで 足も向けられない(でもいつも転がってる)モーパッサンのプレイヤッド版 (を後ろにしたかえる。また君かね。) 左がCon…

ブヴァールとペキュシェ

モーパッサン 『ブヴァールとペキュシェ』 例によって宣伝。 『エラクリウス』論の仕上げとして訳しておきたかった文章、ようやく訳せました。 (右画像は秘蔵お茶目フロベール。) クロニックの翻訳は半年ぶりということで、時の経つのの早さにおののく。 …

恥辱

脈略もなく唐突に現代文学を読む。 J・M・クッツェー『恥辱』鴻巣友季子 訳、ハヤカワepi文庫、2007年。 実にハードな作品にくらくらする。 19世紀のリアリズム小説にはなんだかんだ言ったって、作者の側に尊ぶべき理念があった。 その限りでそこには一種…

採点

試験が終われば採点があるのです。

絶対の探求

バルザック『絶対の探求』水野亮 訳、岩波文庫、1978年(27刷改訳)。 ・端から端まで大変にバルザックらしい作品。 ・「絶対元素」とは今で言えば結局「素粒子」のことになるのだろうか。 ジョゼフィーヌが言う通り、分析するのと創造するのは別事だと言わ…

ぼーどれーる

半年に一度のボードレールの日。 アジア料理でビール。

香水

パトリック・ジュースキント『香水 ある人殺しの物語』池内紀 訳、文春文庫、2007年(10刷)。 開放感にひたって本屋で購入して電車で読み始め、 たいそううまいし、訳文がまたとても生きがよろしいので、すいすい読んでしまう。 なんとまあ奇想天外な物語な…

試験!

本日は暑い中、皆さん試験ごくろうさまでした。簡単すぎたかもね。

ふいうち

Une surprise, 1883 ジル・ブラース、5月15日、モーフリニューズ。シュミット版初収録。 これまた『あるパリジャンの日曜日』第7話「悲しい話」のリライトで、 単行本に収録されなかったのは意外な気がする。 僕たち、僕と弟とは、おじさんのロワゼル神父に…

んな馬鹿な

大分見直して、もういいかなー、仏文レジュメも書いたしなー。 と一段落ついたところで、なんとなく執筆要項を見返していたら、 規定枚数の内には、 外国語レジュメ・キーワードの1頁も含まれています。 という一文が目に飛び込んで来る。 あれれ。と思うが…

スイート・ホーム殺人事件

福永武彦が早くから褒めていたと思うけれど、私が購入したきっかけは別の人の書評だった 気もして、今となっては思い出せない。というぐらい前に買った本。 クレイグ・ライス『スイート・ホーム殺人事件』長谷川修二 訳、ハヤカワ文庫、1994年(14刷)。 原…

逃避的読書

ちょっと息抜きー、とページを開けて、ちびちび読もうと思うのに、 止まらずにぜんぶ読んでしまってから、ああ、逃避してもうた。 といつも思う。

蝉が鳴いてる

まるで梅雨が明けるのが分かるかのように、朝からわんわん、まちがえた みんみん蝉が鳴いていることに気づく。いよいよ本物の夏が来るのだね。 どんと来やがれ。と言いたいところだけれど、あきらかに立ち向かう根性に欠けている。 ソフィ・カルの露出癖とセ…

モンジレじいさん

Le Père Mongilet, 1885 ジル・ブラース、2月24日。『トワーヌ』所収。 5月14日『ヴォルール』、86年5月23日『ラ・ヴィ・ポピュレール』。 1891年『ラ・スメーヌ・ポリティック・エ・リテレール』、92年7月2日『プチ・ジュルナル』再録。 (再録紙の多さは、…

ルイ・ランベール

『バルザック全集』第21巻、東京創元社、1975年所収の『ルイ・ランベール』水野亮 訳。 デシャルムはル・ポワトヴァン論にこの作品を挙げ、彼との類似を指摘しており、たぶんに空想が 混じっている感じではあるけれど、実はフロベールこそがルイ・ランベール…

それでもやっぱり注が好き

注なんか少ないのがよい論文だというお考えもあろうが、 私は注をつけるのが好きなのである。 演劇の論文は8ページで34個という大概な数をつけてしまった。 荷風論は長めの12ページで47もある。もっともこれは引用原点も全部注まわしなので やむをえない部分…

お菓子

Le Gâteau, 1882 ジル・ブラース、1月19日、モーフリニューズ。 1899年『ミロンじいさん』初所収。 彼女の名前はアンセール夫人だったと言っておこう。誰も本当の名前を知らないのだから。 それはパリの彗星の一人で、彼女達は後ろに尾のようなものをひきず…

ブラスバンド

2度目のブラスバンド。にこやかな指揮者どのをまた見れて嬉しい。 たいへんに華々しいものでした。 で、写真はなんの脈絡もなく私の本棚。 いつも仏語の本ばかりなので、たまには日本語で。 左からモーパッサン、右の方にフロベールとゾラ(を後ろに並ぶもろ…

盲人

L'Aveugle, 1882 ゴーロワ、3月31日。Le Voleur 4月14日再録。 『ミロンじいさん』初収録。 (ヴォルールはジラルダン発明の新聞として出発したものだけど、この時期も剽窃だったのかは寡聞にして不明。) 『マニェチスム』の一つ前がこの作品。 春の最初の…

がんばれ猫

あらためて画家でびゅー自分でばんざい。 「がんばれ猫」も密かに売出し中です。という宣伝。今ならお買い得ですよよ。

マニェチスム

Magnétisme, 1882 ジル・ブラース、4月5日。モーフリニューズ。1899年、『ミロンじいさん』に初収録。 男同士での夕食の後、際限無い煙草と絶え間ないグラス、煙と、消化中の温かい倦怠の中、たくさんの肉と酒とが吸収され、混ざり合った後の、頭が軽く麻痺…

はずかしながら

宣伝ですが、遂に刊行されました。 Guy de Maupassant, numéro de la revue C.R.I.N., dir. par Noëlle Benhamou, Amsterdam, Rodopi, 48, 2007. http://www.rodopi.nl/senj.asp?BookId=CRIN+48 アムステルダムで出ている、正式名 Cahiers de recherche des …

滑稽な対立

Conflits pour rire, 1882 ジル・ブラース、5月1日。モーフリニューズ。 翻訳全集に載っていないもので、それもそのはず、従来クロニックとくくられ、 プレイヤッド版に初収録されたもの。 大騒動となった修道士の追放以来、我々は市民的権威と教会の支配と…

あらけずり

ひとまず16枚。大変に荒削りなものなので、これからが勝負。 写真は倉庫を漁ったら出てきた本の一冊。 Gérard Pouchain, Promenades en Normandie avec un guide nommé Guy de Maupassant, Condé-sur-Noireau, Editions Charles Corlet, 2000. (を踏むエッ…

わが英人諸君

Nos Anglais, 1885 ジル・ブラース、2月10日。『トワーヌ』所収。 Le Bon Journal, 1886年8月1日再録。いろんな新聞がある。 普通に訳せば「我らがイギリス人」。呼びかけているわけでもないので「諸君」は微妙かと。 『狂人の手紙』の一つ前の作品が、ふと…

書け書け

怒涛の勢いで原稿執筆、ってほんまかいな。 今回は33字×26行×16枚。前回のと総文字数はほぼ同じ。 「モーパッサン『エラクリウス・グロス博士』―真理の探究から狂気へ」(仮題) ま、ブログに書きまくったことをまとめているようなものなので(いいのかそれ…

ある狂人の手紙

Lettre d'un fou, 1885 ジル・ブラース、2月17日、モーフリニューズ。 親愛なる先生、先生にお任せしいたします。お気に召すようにしてください。 率直に、私の奇妙な精神状態についてお話しますので、しばらくの間病院の世話を受けるほうが、このまま執拗に…

雨つづき

ディドロとから揚げとソフトクリーム、そして雨。

モワロン

Moiron, 1887 9月27日、ジル・ブラース。1888年『月光』所収。 1891年12月12日、L'Intransigeant illustré に再録。 モーパッサンとキリスト教の神、という点に関して真っ先に思いつく作品。 まだプランツィーニについて話されていた時に、帝政下で検事総長…

ふりつづけ

雨、雨。 『アドルフに告ぐ』まで読んじまったことは、内緒にしておこう。