えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2008-01-01から1年間の記事一覧

大みそかも読書

以前から読みたかった本。 コンラート・ローレンツ、『ソロモンの指環―動物行動学入門―』、日高敏隆 訳、ハヤカワ文庫NF、2005年(10刷) 動物行動学の古典にしてバイブルのような書物は、 言うまでもなく抜群に面白い。それにしても 私なんかにはとても耐え…

聖別か涜聖か

先日の「書簡に見るギュスターヴ・フロベール」について。 フロベールをただただ芸術のみに生きた作家と位置づけることで モーパッサンは「芸術家フロベール」を称えている。 ひとつにはレアリスト、あるいはナチュラリスムの父という 周囲の評価に対する、…

朝まで飲む

朋あり遠方より来たり、鍋をつついて朝まで飲む。 そして昼まで眠る。起きて頂く柿と林檎。

書簡に見るギュスターヴ・フロベール

解放感に浸る午前4時。勢いで訳しきる。 モーパッサン 『書簡に見るギュスターヴ・フロベール』 4月頃訳しかけて中断していたもの。ああ嬉しい。 どうぞどうぞ、乞うご一読。

退屈なオリンピック

ようやく待望の冬休みに突入。 とりあえずメモのみ。 村上春樹、『レキシントンの幽霊』、文春文庫、2008年(15刷) 不思議な話ばかり。 (そういえば『トニー滝谷』の映画を観たことがあった と思い出した。あれはいつ、どこでのことだったろう?) 村上春…

リュパンの告白

モーリス・ルブラン、『リュパンの告白』、井上勇 訳、創元推理文庫、2003年(39版) なぜかしらねどくいくい読めて、色男ってすごいなあ、と。 それはそうとご縁もあって、 ‰ö“aŽmƒAƒ‹ƒZ[ƒkEƒ‹ƒpƒ“ こちらでいろいろと学ばせていただきました。 若い頃…

相変わらずの読書

本は読めてしまうのであります、ここだけの話。 アイザック・アシモフ、『聖者の行進』、池央耿 訳、創元SF文庫、2004年(17版) 傑作「バイセンテニアル・マン」まで来ると、ロボットとは何かの問いが 人間とは何かという問いにまで結びついて余韻深し。

813, 続813

モーリス・ルブラン、『813』、堀口大學 訳、新潮文庫、2005年(59刷) モーリス・ルブラン、『続813』、堀口大學 訳、新潮文庫、2006年(53刷) 最初が「アルセーヌ・リュパンの二重の生活」で 次が「アルセーヌ・リュパンの三つの罪」。 なんといっても後…

逃避

仕事をしないために本を読むような。

狂気の愛

ブルトン、『狂気の愛』、海老坂武 訳、光文社古典新訳文庫、2008年 すごく良いところもあり、よく分からないところも多々あり、 あまりに身勝手な言葉についていけないようなところもあるが、 そういうことを言うていては、ブルトンのように恋多き人間には …

狂おしいほどに愛されること

長い中断を経て、一応読みとおす。

海に住む少女

シュペルヴィエル、『海に住む少女』、永田千奈 訳、光文社古典新訳文庫、2006年 表題作だけは読んだことがありました。これはやはり傑作。 全篇「です・ます」で訳されているのが新しいところかと思う、よい選択。 表題作と「飼い葉桶を囲む牛とロバ」はよ…

大きいにも程がある

届いた本の話。 Guy de Maupassant, Contes et nouvelles, édition complète, illustrations de Félix Vallotton, Omnibus, 2008 なんでもFrance2のドラマ企画 Chez Maupassant が当たったのを受けて の豪華本出版ということらしいが、荷物のフタを開けてみ…

勢いで

個人的オリンピックは既に後半ながら、ついに入手 (財)日本オリンピック委員会監修、『近代オリンピック100年の歩み』、ベースボール・マガジン社、1994年 定価2万円が古書で1万1千円なり。 1894年のパリ会議(IOC発足)から100年というのがなんとなく渋い…

コルネイユ

毎日へろへろ。冬休みはまだかいな。 教えてもらったコルネイユをiTunes Storeでご購入。 いまどきのコルネイユはピエールではないのだ。 相変わらずメモだけ。 アイザック・アシモフ、『ファウンデーション対帝国』、岡部宏之 訳、ハヤカワ文庫SF、2005年(…

奇巌城

モーリス・ルブラン、『奇巌城』、石川湧 訳、創元推理文庫、2003年(47版) 高校生の素人名探偵ボートルレとリュパンの対決 だなんて完全に失念しておりました。Bacも受けずに何やってんだ と思わないでもないベル・エポックのぼんぼんではある。 相変わら…

空洞の針

いやしくも「えとるた日記」と名乗っている以上、 この本はすこぶる大事なのである。 が、こんな話だったとは全然覚えておらなんだ。 (昔の写真をスキャンしてみる。懐かしいねこれは。)

オンディーヌ

ジロドゥ、『オンディーヌ』、二木麻里 訳、光文社古典新訳文庫、2008年 実に活き活き躍動感のあるオンディーヌは、古典「新訳」の成功の ひとつと評価していいのではないかと思う(けど既訳を知らないので なんともいえないか)。初めて読みましたが、なん…

天使の蝶

プリーモ・レーヴィ、『天使の蝶』、関口英子 訳、光文社古典新訳文庫、2008年 五つ星のお勧めの一品。化学、生物学の知識をネタに繰り広げられる SF的世界はユーモアとアイロニーに満ちていずれも印象深い。 実はNATCA社のセールスマン、シンプソン氏につい…

波の娘

オリンピックと政治の話ははや3週目を迎え、 1916年ベルリン中止、1936年ナチスの大会、1940年東京返上 につづき、 アパルトヘイトの南アフリカ、ローデシアを巡る問題に 1968年メキシコシティ「ブラック・パワー・サリュート」、 それから、 1972年ミュンヘ…

DVDでもう一度

仕事に使えるかと『アメリ』を久し振りに観て、 DVDが出ていたので『ペルセポリス』を購入。 2度目はいろいろよく分かるけど、 やっぱり映画館がよかったなと。 ヴァン・ダイン、『グリーン家殺人事件』、井上勇 訳、創元推理文庫、2005年(86版) も読んで…

水晶の栓

モーリス・ルブラン、『水晶の栓』、石川湧 訳、創元推理文庫、2005年(35版) のっけから最後までサスペンスが途切れず、上手くなりましたね と思わせる。リュパンが凄すぎるより、とことん彼を苦境に追いやった方が 話は面白くなる、ということかどうか。…

忙しいのか何なのか

よく分からないまま日が過ぎてなんとも。 読んだ本メモ。 西田善夫、『オリンピックと放送』、丸善ライブラリー、1991年 NHKのアナウンサーによる実体験オリンピック放送史 だけあって、現場の声の説得力は何にも勝る。 ヴァン・ダイン、『僧正殺人事件』、…

マラルメ日

「我が書物はパフォスの名の上に閉じられて」 パフォスはキプロス島の都市で、アプロディテに捧げられた神殿があって アマゾネスの作った都市だとされていた、とか。 現実の世界よりも夢想の(不在の)美を一層に求める と一行で要約するとあまりに分かりや…

リュパン対ホームズ

モーリス・ルブラン、『リュパン対ホームズ』、石川湧 訳、創元推理文庫、2000年(53刷) エルロック・ショルメスをいつから「ホームズ」と訳すようになったのか 事情がよく分からないのが気になるところで、ルブルランはそれほど 本家を意識していたかどう…

地軸変更計画

ジュール・ヴェルヌ、『地軸変更計画』、榊原晃三 訳、創元SF文庫、2005年 『月世界へ行く』から20年、「大砲クラブ」の面ふたたび登場で、 大砲を垂直にぶっ放せば月旅行、水平に撃てば今度は「地軸変更」 という馬鹿馬鹿しさが素晴らしく、情けない落ちも…

読みすぎ注意

読んだ本まとめてメモ。 アイザック・アシモフ、『はだかの太陽』、冬川亘 訳、ハヤカワ文庫、2001年(16刷) 『鋼鉄都市』の続編にして傑作の評判たかく、 しかも、なぜか現在品切れ中? と聞けばいやでも読みたくなるというもので。読了後ただちに アイザ…

沖縄

沖縄で飲んで食べて笑う。 まことに幸せでした。

月世界へ行く

ジュール・ヴェルヌ、『月世界へ行く』、江口清 訳、創元SF文庫、2005年(新版) 月に打ち上げた大砲が、軌道が逸れて一周して帰ってくるだけ といえばだけの筋で(女性が一人も出てこないことも含めて) まあヴェルヌらしいことである。 そうすることでファ…

なぜか読書の

はかどる秋の夜かな。 生島淳、『スポーツルールはなぜ不公平か』、新潮選書、2003年 これまたタイトルは出版社によるものか。中身は ルールから見るスポーツの歴史とでもいうもので良書。 タイトルに関しては、つまるところIFのお偉いさんが特定の地域出身…