えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

物憂い春

逃避のためにデヴィッド・リーン版『オリバー・ツイスト』を観る。1947年。 原作の要点を綺麗に押さえ、終盤はややこしい人物関係を省略してきっちりまとめた佳作かと。 一番良かったのはサイクス役のロバート・ニュートン、 あるいは彼のブサイクな犬。 194…

旅人かへらず

しばらく前にFさんにご教示いただいたもの。 二一 昔の日 野ばらのついた皿 廃園の昼食 黒いてぶくろ マラルメの春の歌 草の葉先に浮く 白玉の思ひ出 無限の情 (西脇順三郎、『旅人かへらず』(1947)、『Ambarvalia / 旅人かへらず』、講談社文芸文庫、1995…

大人の読書

なんとなく、今さらのように、 小倉孝誠、『「感情教育」歴史・パリ・恋愛』、みすず書房、「理想の教室」、2005年 を読む。まことに明快明瞭。 『感情教育』は主人公フレデリックに語りの焦点が当てられているにもかかわらず、 その主人公に対して批判的距…

休眠中

長らく休眠中で、ブログ書く習慣もどこへやら。 9月末、我が人生のそれなりの大仕事に、時間切れでどうにかけりをつける。 Xデーは12月9日。それまでいわゆる蛇の生殺し状態。あうあう。 逃避でほそぼそ読んだ電車本。 ディケンズ、『大いなる遺産』、佐々…