えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ジェリコ公爵

モーリス・ルブラン、『ジェリコ公爵』、井上勇訳、創元推理文庫、1974年(2000年16版) Le Prince Jéricho は1930年刊行の由。 エレン・ロック、はたまたジェリコ公爵が実はアルセーヌ・リュパンだった、 と途中で言われてもあまり驚きはしなかったろうけど…

殺しは御法度

心おきなくフランス映画が観れるかな、と、とりあえず、 『ムッシュ・カステラの恋』 『8人の女たち』 『かげろう』 を観る。文化が洗練されるとはかようなものかとしみじみ思う。中には爛熟のものもあり。

レセ・パセ 自由への通行許可証

Laissez-passer, 2002 ベルトラン・タヴェルニエ監督。 これまで知らなかった作品を、たまたま見つけて鑑賞。これがすこぶる素晴らしい。 第二次大戦中占領下のフランスにおいて映画を撮り続けた男達の物語。 主役は二人のシナリオ作家で、一人はレジスタン…

綱渡りのドロテ

モーリス・ルブラン、『綱渡りのドロテ』、三好郁朗訳、創元推理文庫、1986年 Dorothée danseuse de corde は1923年発表の由。 「訳者あとがき」にも述べられているように、リュパンものとの関連が色濃い作品で、 この度初めて訪れてその見事なお仕事ぶりに…

気疲れの日々

はじめはいろいろ疲労がたまる。 16日マラルメ『賽の一振り』ひとまず読了。 かりに賽が振られても、偶然は廃棄されず、ただ場所のみがあるのであるが、 もしかすると遥か天上に北斗七星のような星が瞬きはじめるのかもしれず、 つまり地上では成し遂げられ…

研究者の翻訳

久しぶりに大きな声出すと、喉が(というか口が)渇くなあ、 と、桜を眺めながら思う日々。 読みかけの本の中に厳しいお言葉があったので、引いておく。 吉川幸次郎を批判するのは、何といっても、「名訳」を企図しない文学研究者の筆頭的存在と、彼を目して…

あらためてマンデス

仕事開始の前日。多少なりと緊張します。 たびたび名前が出てきたので、『エコー・ド・パリ』のマンデスの回答も訳しておこう。 Ce qu'il faut admirer avant tout, me semble-t-il, en Guy de Maupassant, c'est le parfait équilibre entre le pouvoir et …

バルタザールの風変わりな毎日

モーリス・ルブラン、『バルタザールの風変わりな日々』、三輪秀彦訳、創元推理文庫、1987年 La Vie extravagante de Balthazar は1925年刊の由。 冒険など存在しない、という「日常の哲学」を唱える青年バルタザールの身に、 次から次にとありえないような…

ルブランとチェム・チュミネ

モーリス・ルブランも描き直してみました。 ところで今日は一日「チム・チム・チェリー」を口ずさむ。 チムチミニー、チムチミニー、チムチムチェリー というのが呪文のようで楽しいのだけれど、 (チムニーが煙突で、これは『メリー・ポピンズ』の煙突掃除…

マルセル・バイヨとアドルフ・レッテ、とマラルメ

ようやく最後まで来る。 La paralysie générale vient de foudroyer une des plus belles intelligences de ces temps-ci. Guy de Maupassant, héritier direct de Gustave Flaubert, ne fit que passer parmi les disciples de Médan, et de suite, il cher…

ピエール・キヤールとレオン・デシャン

Parmi les écrivains strictement naturalistes, seul peut-être, M. de Maupassant eût le sens de la beauté verbale et du rhythme supérieur : il parle quelque part du mystérieux frisson qui saisit les initiés à la lecture de telles strophes de…

疲れた時にはヴェルレーヌ

エコパリのモーパッサンについてのアンケート若者編は、 あと四人ばかり残っているけど、今日はお休み。 思ったよりも大変であった。 ちょっと前に描きなおしてみたヴェルレーヌ(1844-1896)でも掲載し、 詩を一遍訳してみる。拙い訳で恐縮です。 Nevermore (…

モーリス・ポッテシェールとルイ・ル・カルドネル

Parmi les fausses monnaies, sa langue claire et grave sonnait la loyauté ; c'est par elle qu'on entendra vivre tout ce que l'écrivain a écouté de la vie. Les élections académiques, le message des « Cigognes », l'assaut des mages ne console…

モーリス・ボーブールとピエール・ヴェベール

Maupassant eût continué son œuvre qu'il eût achevé de quitter ces malheureux naturalistes, qui n'ont décidément que des fonctions !... Il eût laissé leur domaine aux sciences physiques destinées à l'amélioration des calorifères, et eût mon…

ジュリヤン・ルクレール

J'aime la prose lorsqu'elle est composée par les poètes. Je n'aime pas les vers lorsqu'ils sont l'œuvre d'un prosateur. Voilà pourquoi je n'aime ni la prose, ni les vers de M. Guy de Maupassant. – Julien Leclercq. (L'Écho de Paris, supplém…

ルイ・デュミュール

シャルルさんお返事ありがとうございました。 お陰様で束の間いい夢が見れました。 おっしゃるとおり、モーパッサンのたくさんの短編はその多様性にこそ驚かされます。 ので一冊でその多様な面を窺えるように、なるべく色んなタイプの作品を取り上げたい、 …

ロマン・クーリュスとアンドレ=フェルディナン・ヘロルド

新学期を迎える、が、とりあえず変わらぬ日。 だんだんおざなりになって、既に飽きてきているのがばればれではあるが、 本日の宿題。 Guy de Maupassant tient dans mes actuelles lectures une place si modique ! Serais-je même coupable d'avouer que je…