えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『ラ・フォンテーヌ寓話』/バルバラ「マリエンバード」

『ラ・フォンテーヌ寓話』、ブーテ・ド・モンヴェル絵、大澤千加訳、洋洋社、2016年 『イソップ寓話』というのなら、日本人の大半はよく知っている。昔から、子どもたちに人生の教訓をわかりやすく教えるという目的で、絵本や小学生用教科書に使われてきたか…

『千霊一霊物語』/バルバラ「我が麗しき恋物語」

アレクサンドル・デュマ『千霊一霊物語』、前山悠訳、光文社古典新訳文庫、2019年 刊行は1849年。舞台は1831年、語り手(デュマ自身)は、妻を殺したばかりだと打ち明ける男に遭遇、市長らと一緒に現場検証に出かけるが、そこでその男は、殺した妻の生首がし…

『哲学する子どもたち』/ヴァネッサ・パラディ「キエフ」

毎年、6月はバカロレアのシーズンで、今年はどんな問題が出たかとニュースになるが、その時に、ふと読みだしたら止まらずに、一気に読んでしまったのが、 中島さおり『哲学する子どもたち バカロレアの国フランスの教育事情』、河出書房新社、2016年 だった…

『ドルジェル伯の舞踏会』/ヴァネッサ・パラディ「その単純な言葉」

二十歳の貴族の青年フランソワは、ドルジェル伯爵夫妻に気に入られ、足繁く出かけて行っては二人と時間を過ごす。彼は妻のマオに恋しているが、しかし夫のアンヌのことも好きであり、嫉妬の感情などを抱いたりはしない。彼はいわば現状に満足しているのだが…