えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

議論をかさねる

9回目だかの編集会議、というか実地作成。 夜はパスタ。

マラルメ夫人の扇

月一マラルメの日。 『ほら貝』(ジッド、ヴァレリー、ピエール・ルイス)1891年6月1日 とりあえず訳してみる。 マラルメ夫人の扇 言葉の代わりであるかのように ただ天への羽ばたきのみによって 未来の詩句が立ち昇る とても貴重な住まいから 翼 ただ低く …

気球に乗って五週間

ジュール・ヴェルヌ、『気球に乗って五週間』、手塚伸一 訳、集英社文庫、2009年改訂新版第1版 1863年時点アクチュアルな話題満点のアフリカ横断旅行にしてヴェルヌの実質的デビュー作。 おもいっきしもって「野蛮」な現地人は「食人種」というのには困って…

休みも終わり

ツケが七月末に回ってくるのにおびえつつ。

『女の一生』パンフレット

古本屋に出ていて思わず購入してしまう。 東劇のパンフレット、1959年のNo. 160 は、アレクサンドル・アストリュックの『女の一生』 ジャンヌ役はマリア・シェル。 イヴ・モンタンの『シャンソン・ド・パリ』と二本立てというのが、 いやまあ、ええ時代でご…

上京

東京に行ってくる。

本が見つかる

思うところあって日本語の文献目録に手を入れる。 3時間やって、まだ「網羅」には程遠く、さすがの私も限界だ。 戦後から1980年までの間に文学全集の類はいったいどれだけ世に出たのだろう。 まこと教養主義とはすごいものであったと思うし、その際にモーパ…

ボヴァリー夫人

Madame Bovary, 1933 ジャン・ルノワールが編集した時点で3時間あったものを、誰がどう手を入れたのか 大幅に短縮されて99分。これがまたずいぶんいい加減な仕事で、とりわけ 前半のぶつ切れは、原作知ってなきゃついていけまい。ボヴァリー夫人ならそれでも…

なお蟄居中

穴熊生活継続中。

愛なき女

Una Mujer Sin Amor, 1951 ルイス・ブニュエルのメキシコ時代の作品。やれ条件が悪かったの 20日間で撮ったの、監督は話題にしたがらなかったの、というような作品ではあるが、 しかしこれ、モーパッサンの『ピエールとジャン』が原作なのである。 スペイン…

蟄居中

まあ今日はもともとお休みの日ではある。

学会誌お勧め論文2本

おもむろに、読みかけの学会誌のうちの2本のご紹介。 どちらも知ってる方のですけどね、よいものは褒めねばなりません。 辻川慶子、「ネルヴァル神秘主義再考 ―『幻視者たち』「ジャック・カゾット」における引用、歴史、断片の詩学ー」、『フランス語フラン…

麗しのオルタンス

ジャック・ルーボー、『麗しのオルタンス』、高橋啓 訳、創元推理文庫、2009年 創元推理文庫から出るとは予想外の嬉しい翻訳。 筆のたつこと一級品の現代作家がミステリーみたいな小説書いてみたら こんな風になる、ということで、いやまあ面白くてくいくい…

休校のお知らせ

世の中インフルエンザで大変。おとなしく読書三冊。 北村薫、『ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件』、創元推理文庫、2009年 クイーンをぜんぜん読んでないことが惜しまれる。それでもぐいぐい一気読み。 横溝正史、『獄門島』、角川文庫、2008…

ベティ・ブルー

37°2 le matin, 1986 インテグラル リニューアル完全版とやらは185分もあって長いんだけど 観だしたら止まらないで最後まで行ってしまう。 なんや知らぬが今のほうがぐっとよく「分かる」ように思えるのは何なのか。 こんな映画撮れたら言うことないよな、と…

見せられないけど

この映画を観なおすのも10年ぶりくらいかと思うと、思うこと多し。

愛欲の街

ようやく読了。 金子光晴、『ねむれ巴里』、中公文庫、1976年初版、2005年改版 なんともいえぬ力の溢れる回想録。独特の文体にしびれる。 愛欲の蠢くパリの街のイメージがなんとも鮮烈であるけれど、これが書かれたのは 四十年以上も経た後のことで、著者は7…

編集会議

日曜に会議。ぼちぼち進め。 焼き鳥の後、帰宅電車で、 横溝正史、『本陣殺人事件』、角川文庫、2008年改版25版 に読み耽る。 実にまあ禍々しいというかおどろおどろしい世界であることよ。 ところでこのお話などでは典型的に、 時(昭和10年代)、場所(田…

三月ぶりの翻訳

おやもう三か月も経ってしもたのか。ということで、 今日は仕事がお休みだったので翻訳する。リンクの表記法も忘れる始末。 モーパッサン 『戦争』 戦争は愚劣である、という一文。 フランスがベトナムに侵略していた真っ盛りに書かれたこの一文に、 1870年…

ハンバーグドリア

6時10分から、おもむろに『スラムドッグ$ミリオネア』を鑑賞。 力のある画面にぐいぐい魅せられて堪能。で、終わってから 実はえらいことストレートな娯楽映画であったことに気づかされる。 ベタと言ってもいいのではないかと思うけど、そのことは、ボリウ…

大いなる幻影

La Grande Illusion, 1937 我が家で発掘されたフランス映画。名画は名画。 今となっては反戦映画というよりも、戦時にあってもまだ人間的なものが生き続きえた 古き時代を偲ばせることであった。もっとも第一次大戦頃はほんまにこんなだったか どうかは知ら…

少しずつ

貴重な祝日。仕事は少しずつ。 東京都の人口は千二百万で、大阪府は八百万であるとかを学ぶ。 フランス人はそういう数字が好きである、というのはもっぱらの噂であるが、 それはつまり一体どういうことなのか。義務教育の成果なのかね? 謎はいろんなところ…

王と鳥

Le Roi et l'Oiseau, 1980 一見したところはすごく単純な物語でありながら、細部があれこれずらしてあることで、 謎の多く奥行の深い作品に仕上がっていることよ。 私が興業主だったら、ええからハッピーエンドで子どもでも分かるようにしておくれ というこ…

こっちの仕事

久しぶりにこっちの仕事。あっちだったか。どっちでもいいけど。

ポンヌフの恋人

Les Amants du Pont-neuf, 1991 橋というのはこちらからあちらへ渡るための場であり、それ自体はどちらにも属さない境界であれば、 封鎖された橋という場は、どこにも属すことのできない、行き場のない者のアジールとなる、 ということか。久し振りに観て、…

日々これ模索

今時の若人にぴったりのフランス映画はなんじゃろな と探し中。

本届く

問題の本が届く。27日発送で、4日で着いた勘定になる。早い。 Guy de Maupassant, Sur l'eau, dessins de Riou, gravure de Guillaume Frères, C. Marpon & E. Flammarion, s. d. (1888). なんと『水の上』の初版。 モーパッサンの初版本というのは趣味のた…