月一マラルメの日。
『ほら貝』(ジッド、ヴァレリー、ピエール・ルイス)1891年6月1日
とりあえず訳してみる。
マラルメ夫人の扇
言葉の代わりであるかのように
ただ天への羽ばたきのみによって
未来の詩句が立ち昇る
とても貴重な住まいから
翼 ただ低く 伝え行く女
この扇 もしそれが まさしく
同じものであれば それによって君の
背後でどこかの鏡が輝いた
清澄に(そこに再び降り積もるだろう
細かい粒となって追い払われつつも
目に見えない幾許かの灰が
唯一私を悲嘆に暮れさせるもの)
常にそれがそのようなものとしてあるように
倦むことない君の両手の間に
(Mallarmé, OEuvres complètes, Gallimard, "Pléiade", t. I, 1998, p. 30.)