えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

主語がないなんて

一週間が怒涛の勢いで過ぎ、週末沈没の日々が始まる。 発作的に、 水村美苗、『日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で』、筑摩書房、2008年 を読み、これを読んだら絶対読み返したくなる『三四郎』(岩波文庫)を読み、 丸山真男、加藤周一、『翻訳と日本の近…

太宰治「富岳百景」のモウパスサン

「モウパスサンの小説に、どこかの令嬢が、貴公子のところへ毎晩、河を泳いで逢いにいったと書いて在ったが、着物は、どうしたのだろうね。まさか、裸ではなかろう。」 「そうですね。」青年たちも、考えた。「海水着じゃないでしょうか。」 「頭の上に着物…

学期はじまる

今年度も始まりまして、早々にへろへろにくたびれる。 逃避的に一つ小話を。

改めて、簡単なのか

モーパッサンのフランス語は(少なくとも相対的に)簡単だ。 と断言すると、しかしなんとはなしに疾しい気分がしないでもない。 「モーパッサン先生」に怒られそうな気もするし。ははは。 Maupassant par les textes にThierry Selva 氏による、 Une étude q…

フランス語で読むこと

モーパッサン関係の最近のトピックのもう一つは、 佐藤若菜、『フランス語で読むモーパッサン 対訳ジュールおじさん・首飾り・シモンのパパ』、NHK出版、2011年 でありました。 こういう需要があるのは大変喜ばしいことである。 この本が目新しく見えるの…

まんがで読破すること

いかん、もう四月だ。どうしよう。 今更な話ではあるが、 バラエティ・アートワークス、『まんがで読破 女の一生』、イースト・プレス、2012年 を本屋で見かけた時はおどろいた。 190頁で主要なところはきっちり描いて、その職人芸は見事なものです。 なかな…