えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

壮麗にして混濁した

月一マラルメ。 1898年刊行『ヴァスコ・ダ・ガマへの記念アルバム』所収。 8音節、エリザベス朝式ソネ。 壮麗にして混濁したインドを越えて 旅するという唯一の関心に向けて ――この挨拶が、君の船尾が越えていく岬 時を告げる使者たらんことを あたかも、カ…

モンスーン・ウェディング

Monsoon Wedding, 2001 ミラ・ナイール監督。 長女の結婚式を前に、一族が集まり、 お父さんは借金して伝統的な豪華な式を準備しつつ、 長女は実は不倫の関係を清算しきれておらず、 いとこ同士の出会いがあったり、 プランナーのお兄さんの清純な恋があり、…

校正の日

Ego-wrappin' 聴きながら一日校正。

ジョイ・ラック・クラブ

The Joy Luck Club, 1993 監督ウェイン・ワン。 アメリカに移住してきた4人の女性と、彼女達それぞれの娘、 計8人の人生と、母娘の関係が語られる。 中国でそれぞれに辛い経験をしてきた母親達は、娘の幸せを何より願うが、 娘達は娘達で、母親達が思いもし…

詩の朗読

金曜日りんくうタウン。 土曜日、京都芸術劇場・春秋座にて『マラルメ・プロジェクト』鑑賞。 第一部は松浦寿輝『喫水都市』朗読(松浦寿輝、浅田彰、渡邊守章)と 渡邊守章による『エロディアード―舞台』『半獣神の午後』日本語による朗読。 第二部はマラル…

ひげ文字を眺める

とにかく、あと一週。 Sacher-Masoch, Soziale Schattenbilder: Aus Den Memoiren Eines Österreichischen Polizeibeamten, Halle: Hermann Gesenius, 1873 (Nabu Press, 2010). ザッヘル=マゾッホ、『社会のシルエット オーストリアのある警官の覚え書きよ…

ザッヘル=マゾッホ追記

種村季弘、『ザッヘル=マゾッホの世界』、平凡社ライブラリー、2004年 を改めて見返したら、「マゾッホ文献について」の341頁に、 木村毅訳について書かれており、おまけに「カテリナ二世」についての逸話、 私の引用したのと同じとこが引用されておるでは…

マゾッホ英訳

ザッヘル・マゾッホ、『マゾッホ情艶小説集』、木村毅 訳、白凰書院、1949年 なんていう本がありまして、他の版もあるが、中身は同じと考えてよかろう。 その「序」にいわく、 本譯のテキストにはマシイソン版の英譯を用ゐた。原作には當局の忌憚に觸れるや…

いまいちど偽作の方へ

あっという間に1年が経ち、ふらふらと舞い戻ってきた話。

ナポレオン伝説とパリ

杉本淑彦、『ナポレオン伝説とパリ 記憶史への挑戦』、山川出版社、2002年 軍人には何の関心もないので、ナポレオンその人には興味が湧かないのだけれど、 しかし19世紀フランスにおいて、「ナポレオン」はやはり無視できないね、 と、今さらのことを今さら…

Your book has shipped

毎日、生きていくだけで精一杯。 ひさしぶりにアメリカの古書店から本を買い(3ドル)、 Your book has shippedというメールが届く(送料が7ドル)。 最初にこの字を見た時は、これは「出荷した」という文句なんだろう、 と思ったのだけれど、待てど暮らせど…