えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

誰も知らない

是枝裕和監督、2004年 奇しくもシネカノン配給作品。 すごくよい映画と思いますが、 個人的には物語に、というかあの子供たちの生活に、 どんな形であれ区切りをつけてほしかった。 開かれて終わっているからこそよいという意見もあるだろうし、 それはよく…

開かれておわること

試験かえりに中古屋さんに寄る。 ああ、目をつけてたのが売れている。あうあう。 かわりに買って帰る。

完走

月曜日におもむろに風邪をひく。 ほんまにこけるかと思いましたが、 14周走り切れました。 『パッチギ!』と『GO』で、 帰ってきたら、配給会社シネカノンの倒産を知る。 要領が悪い私は、ようやっとここがいい仕事をしてきたということを 知ったところだ…

自転車あと一周

本日が13周目。こけずにここまで来られたぞ、と。 ちなみに先週は『サヨナラ』と『ブラック・レイン』(ゲイシャとサムライとヤクザ)で、 今週は『ロスト・イン・トランスレーション』と『ガン・ホー』。 あらためまして竜之介さんにはコメントありがとうご…

シャヴァンヌへのオマージュ

月一マラルメ。やれ嬉しや大賑わい。 『プリューム』紙、1895年1月15日付、ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ特集号。 オマージュ この音なきものに口を当てられた 蒼穹の喇叭に触れる 暗い拳を痙攣させるほどに かじかんでさえいるどんな曙の女神も 牧人を持つ …

ツォツィ

Tsotsi, 2005 監督ギャヴィン・フッド。 ヨハネスブルクのスラムに暮らす少年が、赤ん坊との出会いを機に、 生きることの意味を問い直す、という物語。 ストレートな物語の中に、アパルトヘイト後10年の南アフリカの現状を 明確に描き出す手際が巧みで、演じ…

いろんなものが差し迫る

そういう時節にさしかかる。 でもしつこく映画を観続ける。

パッチギ!Love&Peace

井筒和幸監督、2007年。 ストレートの物語をどっさり詰め込んだあつい作品で、 エンターテインメントに徹する潔さとはかくあるものかなと。 キャストが入れ替わって続編の必然性が薄いのだけれど、逆にいえば 二番煎じにならない独立した作品に仕上がってい…

直球どまんなか

腰をなだめつつ映画を観る。

Tokyo!

Tokyo!, 2008 ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノ監督。 一本目は、理屈はよく分かるんだけど、けっこう気味のわるい作品で、 ニ本目で、カラックスとドニ・ラヴァンがえらいこと遠くに行ってしまったことに愕然とし、 三本目は、香川…

眉毛に悩む

日曜よりおもむろに腰痛。あうあう。 白黒で描いてるときは、眉も陰もいっしょくたに黒くしとけば済んだものが、 カラーで描こうと思ったら、そういうわけにもいかなくなった というのが、これ要するに「眉毛問題」発生の理由なのであるが、 そうするともし…

詩人はひげを剃る

こりはこりはkさん、お見事なご解答をありがとうございました。 私がみっけたのは、まさしくテオドール・ド・バンヴィルだったのですが、 なんと、ルコント・ド・リールとフランソワ・コペもひげ無しとは知りませんでした。 さすがです。 なるほど二人ともつ…

ルナール没後百年

今年はジュール・ルナール没後百年の年。 (ということで描く。これぞ商業戦略。) うーんと、まあマイナーな感じはありますけど。 そういえばルナールは1864年生まれで、 それはすなわち、モーリス・ルブランと同い年だった。 なるほど。 ルナールと言えば…

ブラック・レイン

Black Rain, 1989 リドリー・スコット監督。 なるほど松田優作めちゃくちゃ格好いいし、高倉健も好演。 大阪の町をこんな風に撮れるというのにも感心させられます。 リドリー・スコットの美意識溢れ出た作品だなあ。

ヴィアンは笑う

昨年が没後50年だったボリス・ヴィアン。 ラッパ吹いてる格好いい写真もあるのだけれど、 やはりこの笑顔がたまりません。 眉毛に若干、遺恨をのこしておりますが。

ガス工事

我が家のガス工事の日。 まだ描く。個人的に西方面と東北方面にオマージュ、のつもりの ステファヌ・マラルメ。 まあ、眉毛がよく分かんないのは、ベケットに限った話でもないんだな。 例によって想像の加味された配色になっておりますのでご注意を。

パスを閉じよ

すっかり分かった気になっていたのだ。 しかし、線を書いてから、色を塗るのはなんだか二度手間であり、補正もめんどくさいので、 なんとかならんのかなあ、と思っていたのだ。 なんのことはなく、専門用語にてこれ、「パスを閉じ」よ。 あーら簡単に色が塗…

なぜベケット、あるいは眉毛がない

月一のはずなんだけど久し振りのネルヴァル。 1840年6月15日『プレス』紙。ヴァリエテとジムナーズ。 これでもかというぐらい分かりやすいブルジョアのためのヴォードヴィル。 舗石工デグレは、姉だか妹だかから百万フランの遺産をもらうが、 姉だか妹だかが…

GO

行定勲監督、2001年。 ようやっと鑑賞。 原作の印象が強い分、ものたりなく思えるところがあったりするのだけれども、 しかし、窪塚洋介、山崎努はじめの役者さんが大変いいし、 演出・編集もごてごてしなてくてなかなかクール。 好印象にまとまった佳品だと…

どこまでがヒゲ

仕事はじめ。本気度?を示すべく??さらに描くは、エミール・ゾラ。 マネの絵で見る限り、髪は黒いが、ひげの辺は金髪のようにも思われ、 この写真(よく知らないんだけど)はだいぶ年取った頃のようにも見え、 その辺鑑みたつもりの配色だけど、つまりはこ…

逃避はたのし

私も薄々そうかと思いつつ、よく分かってませんでして、 こりはどうも失礼いたしました、竜之介さん。 あちらが表の顔、こちらが裏の顔?になっておるのでありました。 どちらもどうぞご贔屓に、よろしくです。 こつが体得されたので(ただの自惚れ)、逃避…

仕事はめぐる

巡り巡って、なぜか私のところにやってきたお仕事で、 池田晶子さんについて記述を試みる。粗相のないのを祈る。 竜之介さんコメントどうもありがとうございました。 大丈夫、ちゃんと分かるようにできているのがはてなダイアリーではあります。 『パリ人の…

モーパッサンを文庫で!

さて、sonさんコメントをどうもありがとうございます。 なんということ! 私などでも人のお役に立つこともある。良いことだ。 万が一、倍に膨らんだ期待を裏切ってしまうことになったらどうしましょう と些か不安になったりもしますが、 その場合(考えてど…

新春恒例

となった(わけでもないが3年目)モーパッサンのお絵かき。 要するに時間ができると逃避してしまう、ということを繰り返している ということが分かってしまうから、日記ってすごい。 しかもモーパッサンの髪と目が何色だったか、未だに突き止めていない。 だ…

何から読むべきか

そうですねえ、『われらの心』(『男ごころ』でもいいのだけど)からモーパッサンを読むというのは 強くお勧めする自信が、ちょっと持てないかなあ、と、馬鹿正直に申し上げます。 もっとも、「なんでもいいからとにかく読んで!」というのが一番率直な思い…

『男ごころ』補遺

個人的な仕事始め。 sonさんコメントありがとうございました。 お返事さしあげる前に、余談を済ませます。 昨夜、布団の中で今一度、『男ごころ』ないし『われらの心』の帯の文句を考えたのである。 (タイトルについては、とりあえず中とって『男ごころ・女…

『男ごころ』について

『男ごころ』は、1890年に出版されたモーパッサンの長編、Notre cœur の邦題。 春陽堂全集3巻では品田一良によって『われらの心』と訳されていて、こちらが直訳(「心」は単数)。 ちなみに、『男ごころ』と意訳したのは昭和26年の中村光夫訳。 『われらの心…

謹賀新年

30日より本日まで、新潟。 新年あけましておめでとうございます。 龍之介さん、コメントご質問ありがとうございました。 立場上存じ上げてないわけにはいかないので、喜んでここにご返事いたします。