えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

モンスーン・ウェディング

Monsoon Wedding, 2001
ミラ・ナイール監督。
長女の結婚式を前に、一族が集まり、
お父さんは借金して伝統的な豪華な式を準備しつつ、
長女は実は不倫の関係を清算しきれておらず、
いとこ同士の出会いがあったり、
プランナーのお兄さんの清純な恋があり、
いろいろな愛の関係がからまりつつ、モンスーンの中、式が執り行われる。
鮮やかな色彩のじつに美しい画面に、歌があり踊りがある。
「インドの映画」を世界に認めさせてやろうという、確信犯的なものが
ここにはあるように思われて、たしかに結婚式には民族性が顕著にあらわれるけれど、
そこに描かれる人間模様は、すでにして現代社会に広く共通するものであり、
実にスタイリッシュでクールな画面は、西欧的な美的基準に適ったものである。
もちろん、それが今のインドというものであろう。そうなんだけれども、
国際的に(というか西欧社会に)受け入れられるということは、
つまりはこういうことであろうかと、一方で思いもしないでもないような。
もっともミラ・ナイールは長くアメリカで活動している監督なので、
それは当然のことであるのかもしれない。
『サラーム・ボンベイ!』と『ミシシッピー・マサラ』をぜひDVDで出してほしいです。