えとるた日記

フランスの文学、音楽、映画、BD

2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

犬の話

Histoire d'un chien, 1881 ゴーロワ6月2日。シュミット版初収録。 後に(ジル・ブラース、1883年3月20日)「マドモワゼル・ココット」として書きなおされるもの。 あらゆる新聞が、動物の「避難所」を儲けたいという動物愛護協会の呼びかけに応えている。そ…

台風一過

もうすぐ試験の採点をすることになるところで、 面白い話を見つける。 柴田宵曲『明治の話題』ちくま学芸文庫、2006年から、 正木直彦「回顧七十年」の孫引き。 隅本さんの代数学には実に閉口した。此の人はよく出来ると百二十五点などといふ点を呉れるが、…

宝塚へ

はじめてタカラヅカを観て、考えること多し。 手塚治虫記念館は、予想以上に楽しいところでした。 台風目前の雨の一日。

ひとくぎり

13回目が終了で、前期は期末試験を残すのみとなる。 思えば早い3ヶ月が過ぎたわけである。 打ち上げでビール旨し。一日雨だったけれど。

世論

Opinion publique, 1881 ゴーロワ、3月21日。シュミット版初収録。 とある役所(文部省?)のオフィス。業務開始の午前11時、 ボスがやって来る前のひと時、五人の役人が交わす雑談である。 主な話題は二つで、一つめはロシア皇帝アレクサンドル2世の暗殺(3…

読んでもた

がまんできずに手塚治虫『ブッダ』を手にしてしまう。 予約した散髪のことまで忘れてしまって焦る。なにやってんだ。 これまた輪廻転生一大ロマン、と思っていたのだけれど、必ずしもそうでもないみたい。 生命はみな平等であるから殺生はいましめるべし。我…

大佐の考え

Les Idées du colonel, 1884 7月9日、ゴーロワ紙、『イヴェット』所収。 12月7日、および1890年4月13日の「ランテルヌ」、 12月14日、「アナール・ポリティック・エ・リテレール」 これが二度目の書き換えによる作品で、三度目にして単行本に入れられること…

忘れていたこと

そういえば7月6日はモーパッサンの命日であった。114回目の。 できるならモンパルナス墓地にでも出かけたいところだ。 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』講談社現代新書、2007年を読む。 野口英世の話がなんともものがなしいけれど、 「見えないものを見よう…

思い出

Souvenir, 1882 ジル・ブラース、2月16日、モーフリニューズ。シュミット版に初収録。 『ラレ中尉の結婚』をリライトした作品。後に『大佐の考え』でもう一度取り上げられる。 作品の語りは「私達」が中心になっている。物語の筋はほぼ同じまま進行するけれ…

べリアルの散歩

「研究」と呼ぶのはまだおこがましい感想。 全6章の中編小説。46ページ。 新婚のプレヴァル公爵夫妻はお客を排し、生命とは何かについて話しあっている(変な設定)。 ちなみに奥方はクレチアンで、夫は折衷主義。 そこに現れる悪魔。自称「愛を司る精霊」で…

読めば分かるか

とりあえず読んでみました。

ラレ中尉の結婚

Le Mariage du leutenant Laré, 1878 「モザイク」誌、5月25日、「聖水授与者」と同じく、ギ・ド・ヴァルモンの筆名。 普仏戦争を主題にした最初のコントという点で重要な作品。しかしトーンは後と全然異なる。 戦闘の開始すぐに、ラレ中尉はプロシア軍から2…

アルフレッド・ル・ポワトヴァン

余韻に浸りつつも、本日ようやく届いた本。 Alfred Le Poittevin, Une promenade de Bérial et œuvres inédites, précédées d'une introduction sur la vie et le caractère d'Alfred Le Poittevin par René Descharmes, Paris, Les Presses Françaises, 192…

ほん届く

子どもの頃に読んだ『火の鳥』があまり好きになれなかったのは だって暗いから、というようなことだったと思うのだけれど、 いやはやどの巻も見事に読ませる物語ばかりで感慨深し。素晴らしい。

たいへんな七夕の日

突如多数の手塚治虫が発掘されてしまい、 タイムリーな輪廻転生一大ロマン『火の鳥』に夢中。 もんでゅー。 おっと神どころではない世界であった。 こんなことしてる場合じゃないのにー、という七夕の土曜日の夜なり。

聖水授与者

Le Donneur d'eau bénite, 1877 11月10日「モザイク」という週刊誌に掲載。プレイヤッドでいうと 『剥製の手』『エラクリウス』『水の上』の次にあたる、ごく初期の短編。 5歳の子どもが行方不明になり、両親は家を売り払って探索の旅に出る。 もちろん、そ…

復習!

そして12回目終了。今日は復習を兼ねた中テスト。 なるほど試験はやるほうとやらせるほうでは全然ちがう、ということをしみじみ。 しかしながら「せんせい」というものは、能うことならみんなにいい点をとってもらいと 思うものである。と思う。 みんなも私…

乞食学生

発疹といえば太宰に「皮膚と心」という作品があるのだけれど、 ここに『ボヴァリー夫人』の話が出てくるのである。 そう言えば太宰にはフランス文学の引用、参照が意外?に多い、ということに この度の再読では気づかされる。 で、「乞食学生」『太宰治全集…

試験の作成

いよいよ学期も大詰めで、試験の作成である。 よい試験とはどういうものか、について考えてみるも まだよく分からないんだな、これが。

聖アントワヌの誘惑

『エラクリウス』が「宗教と哲学」をめぐる問題であるならば、 『ブヴァール』はともかく、こちらを忘れるわけにはいかない。 ので苦手な本書を翻訳で取り急ぎ読み返す。 フローベール『聖アントワヌの誘惑』渡辺一夫訳、岩波文庫、1997年(5刷) 「誘惑」の…

へろへろへ

腕に突如発生した発疹と、背中痛のために心身ともに萎えっぱなし。 こんな日は読書しかすることがないね。

えりーと主義

プルーストについての講演。 プルーストはたくさん引用をしてペダンチックで、分かる読者だけを選別する エリート主義と思えるけれど、でも彼は普通の読者に 原典にさかのぼること、その知識を持っていることを要求しているわけではない。 だから彼はそんな…

ワインとチーズと

パテとムースといろいろで、 いろいろなお疲れとお祝いと。ごちそうさまでした。 なぜだか「土曜日の夜」が聴きたくて、 King Master George を貸してもらう。久し振りで懐かしい。 ぼちぼちとユゴーの演劇の勉強もしつつ。

エラクリウス・グロス博士

Le Docteur Héraclius Gloss, vers 1875 初出は1921年のルヴュ・ド・パリ、2回に分けて。 改めてこの作品について記しておこう。 私にとってこのテクストが持つ意味は2点にしぼられる。 1点は、ここには後のレアリスト・モーパッサンの姿がほとんど見られな…

6月の打率

さて7月になったので先月の総括。 30日中6編で、こりゃ分かりやすい、打率は2割ジャスト。 うーむ。ここは翻訳をわりとがんばったということでよしとしておこう。 そういうわけで

ばて気味

どうも体がだるいなあ、と思う日中。 これって夏ばてか。というか梅雨ばてだ。いやはやがんばろう。